知財キャリアの常識をアップデートしろ#2
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『弁理士のキャリアの幅は確実に広がっている』
―近年の知財業界のキャリア環境について教えていただきたいです。
「以前は、弁理士の転職と言えば、特許事務所から特許事務所や知財部が王道でした。しかし、最近では弁理士の資格を持ちながら、特許事務所以外で働いている人も増えてきています。例えば、政治活動をしている方や法務部、大学の研究所、銀行、もちろんスタートアップも。幅広い分野で活躍されている弁理士の方も多く見られます。」
―二足の草鞋を履く弁理士も増えている?
「そうですね。副業している弁理士も結構増えていますよ。」
―知財業界でのキャリアの幅は広がりつつあるということですね。
「はい。それは間違いありません。更に、知財業界未経験の若手の求人も増えています。しかし、まだまだ知財業界のことを知らない求職者の方も多く、知らないから知財の世界には飛び込まないという方が結構多い。今後はもっと知財業界の仕事を知っていただく機会を増やしていきたいですね。」
―未経験者が知財業界へ転職を希望する場合に意識すべきことはありますか?
「まずは、業界の現状を知ることから始めるのが大切だと思います。TwitterやFacebookなどで情報発信をしている弁理士の方も多いです。そこから、最新の情報を得たり、セミナーにも参加しながら、どんどん情報をキャッチして、知財業界の現状を深く理解する必要があります。もちろん、転職エージェントに業界研究を目的に相談をすることも良いと思っています。業界のことを理解することで、未経験の方でも十分転職できる可能性はあります。
また、これはどんな人にも共通して言えることですが、入社後に自分がその事務所で働いているイメージが着くかどうかが最も大切になってきます。また、『今まで自分が経験してきた仕事が、この事務所ではどう活かせるのか』というように、採用担当者への質問事項を用意しておくことも重要です。面接では、その場でしか聞けない質問をすることが大事ですね。」
―いま、未経験でも求人の多い職種はどんなものですか?
「未経験での募集だと、特許技術者と弁理士が多いです。事務所のほとんどは、特許業務が大半を占めているため、仕事量が多いというのが理由として上げられます。それに付随して、特許事務の募集が次に多いです。」
『知財業界は自分の仕事を愛し、熱を持って取り組んでいる人が多い』
―知財業界にいる人材の特徴は何だと思いますか?
「皆さん自分の仕事が好きで、資格のあるなしに関わらず、熱を持ってやっているという印象です。そして、大半の方が何かしらの目標を持っていると思います。また、業界特有だなと感じるのは、自分のキャリアを高めていきたいという人がとても多いことですね。自分の将来のキャリアをしっかりと考えている人がすごく多いと感じます。」
―知財業界でのキャリアアップのコツはありますか?
「現状の転職市場的には、国内の明細書作成業務をメインとする事務所が多いということもあり、特許の明細書を書く経験を積んでいる方のほうが転職しやすい状況です。ただ、今後海外に力を入れていく事務所も増えてくる可能性があるため、外国出願の経験もあると高く評価されます。未経験から挑戦するのであれば、まずは国内の明細書から経験を積んでいくのがおすすめです。事務所の所長の方針にもよるため一概には言えませんが、小さな事務所では、なんでも挑戦させてもらえるような雰囲気のところも多く、ひとつの場所で様々な経験を積めるため、キャリアアップもしやすいですね。また、翻訳などの業務もあるので、英語力を鍛えることも重要になってきます。」
『スタートアップで得られるのは様々な経験』
―現在、スタートアップにおいても知財に関する求人は増えているのでしょうか?
「スタートアップ企業の知財に関する求人はまだ少ないかなと感じますが、今後増えていくと思います。また、私が入社した2018年4月頃から見て、スタートアップ支援を行う事務所は新たに設立されていて、弁理士や特許技術者、商標専門の方の募集が多くなりました。ただ、立ち上がったばかりの事務所ですから、研修制度が整っていないことが多く、経験者の募集が多い傾向があります。」
― WILLCOもまたスタートアップですよね。
実際にスタートアップ業界にいる三島さんから、今後スタートアップで働いてみたい、スタートアップを支援する仕事をしてみたいと思っている方へのメッセージはありますか?
「産業を盛り上げていくのは、スタートアップのように柔軟に動ける企業だと思っています。スタートアップというと、安定や将来性があるのかを心配する人が結構多いです。安定性が低いというのは事実かもしれませんが、将来の大きな目標に向かって、さまざまな経験ができることも間違いありません。もちろん大変なこともありますが、特に仕事が好きな人は、是非とも挑戦してみてほしいです。また、そのようなスタートアップを支援する特許事務所でのお仕事もとても魅力的です。自分では予想もしてなかったような仕事をするチャンスが訪れますよ。」
―では最後に、今後の目標を教えてください。
「私個人としては、ブログやメディア、セミナーを通して、求職者に知財業界や弊社のことをもっと知ってもらうように情報提供をしていきたいです。また、知財業界で働く方々と求職者が交流できる場をつくりたいと思っています。会社としては、知財業界の転職サイトとしてNO.1になることを目指しています。現在は、司法書士の転職サイトとしての知名度は高くなってきていますが、知財業界の転職サイトとしてはまだまだ認知度が低いです。今後は、誰もが知っている転職サイトにしていきます。求人の量も質も知識も兼ね備えた、よりよい情報提供ができる人材会社にしていきたいです。」
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