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【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(2)”歌ってみた”動画は著作権に引っかからないの?

連載記事

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(1)動画撮影時の注意点とは!?

近年、子供の将来なりたい職業ランキングでも『YouTuber』が上位にあがるほど、どの世代からも人気のあるYouTube。どんな人でも気軽に自分の好きなコンテンツで動画を配信することができるため、多くの方が利用していますよね。

ところで、皆様は動画を撮影するにあたって、いくつか注意点があることをご存知でしょうか?きちんと理解せずに動画の撮影や投稿をしていると、後にトラブルに発展してしまうことも・・・。

そこで今回は、One ip特許業務法人の弁理士に、弁理士目線でYouTubeの動画撮影から投稿に至るまでの注意点を聞いてみました!

テーマ②:『”歌ってみた”動画は著作権に引っかからないの?』

とある日のこと・・・

「今流行りのあの曲、結構上手く歌えるようになってきたかも!YouTubeに歌ってみた動画投稿してみようかな♪」

「あ、でも歌ってみた動画って、アーティストの曲を勝手に歌っているわけだし、著作権に引っかかってしまうこともあるのかな?念のため、弁理士の先生に聞いてみよう!」

\\教えて!弁理士の先生!//

??”歌ってみた”動画は著作権に引っかからないの??

「”歌ってみた”動画には、気を付ける点が結構あります。

まず、著作権は、複数の権利の総称で、様々な権利に分類することができます。一つの考え方として、例えば大きく分けると2つに分類されます。

ひとつは、財産権としての著作権です(ここでは、財産権としての「著作権」として表記します)。主に、著作権は作品に付随する権利で、著作権を持ってる人は、その作品に関して、例えば複製の許諾の可否などを決めることができます。

ふたつめは、著作隣接権です。著作隣接権は更に細かく、①実演家の権利・②レコード制作者の権利・③放送事業者の権利・④有線放送事業者の権利の4つに分類されます。

まず著作権の観点からでは、歌ってみた動画には、公衆送信権が関わってきますので注意が必要です。お金を取って無断で他人の作詞作曲した歌を歌うことは、公衆送信権の侵害になる場合があります。ただ、基本的には著作権が生きている歌を勝手に歌うことは著作権の侵害になる可能性が高いですが、YouTubeは、JASRACと著作権に関する包括的な契約を組んでいるため、JASRACと契約している楽曲に関しては、例外を除いてYouTubeで歌ってみた動画をアップロードしても良いことになっています。

※JASRACの動画投稿(共有)サイトでの音楽利用についてはこちらから

そのため歌ってみた動画を出す際は、予めJASRACが運営する検索ツール『J-WID(ジェイウィッド)』で曲を検索して、JASRACが管理している楽曲なのか、どの範囲までOKを出しているのかをきちんと確認することをお勧めします。JASRACが管理している著作権も、支分権(複製権や上演権など)によって管理対象になっているものや、なっていないものがあるので、注意してください。

ただその一方で、歌ってみた動画を録画するときにCDの音源をそのまま使うことは、著作隣接権におけるレコード製作者の権利を侵害する可能性があるので、原則としてCDのレコード会社に許可をとらないと使えません。なので、基本的にYouTubeにおいては、自分たちで演奏して自分で歌うのが良いと思います。カラオケ店で歌った動画をYouTubeにアップするのも、カラオケ店の音源を使用することが認められていない場合は、動画をアップすることは避けたほうが良いと思います(参考:平成28年(ワ)第34083号 著作隣接権侵害差止等請求事件)。

まとめると、YouTubeにおいての主な歌ってみた動画のNGケースは以下の通りです。

・JASRACに著作権の管理を委託されていないような楽曲を勝手に歌ったとき

・CDの音源をそのまま使ったとき(JASRACがOKでもレコード会社がNG)

・カラオケで歌っている姿を撮影した動画(自分が楽しむのはOKでも、YouTubeにアップすることはNG)

また歌ってみた動画とはケースが異なりますが、以下のようなケースも気をつける必要があると思います。

・BGMにCDの音源を使用している動画(例:結婚式のオープニングムービーなど。ただし、会場の雰囲気を撮影した際に、そのムービーが写りこんでしまった場合に限っては、写りこみという解釈になるためOKとなることもある。)

なお、万が一著作権を侵害しているとみなされた場合には、著作権者の申立等により、YouTubeから動画が消されることもありますので、注意してください。

余談ですが、YouTubeにはContent IDの申立というシステムがあり、著作権者が著作権を侵害しているコンテンツに対して、単にコンテンツの掲載を差し止めるだけでなく、そこで得られた収益を著作権者側に分配するということも可能なようです。著作権による収益化の考え方が先進的であり、いろいろ問題もあるとは思いますが、面白い仕組みだと思います。」

「なるほど!著作権には、いくつも種類があって、気を付けるべき点もいくつかあるんだ!歌ってみたの動画をアップする前は、J-WID(ジェイウィッド)でJASRACと契約している曲なのかどうかを確認して、NGケースに該当していないかもきちんと確認したうえでアップすることにしよう!」

 

―つづく。

JASRAC 作品データベース検索サービス『J-WID(ジェイウィッド)』
 http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/

動画投稿(共有)サイトでの音楽利用について
 https://www.jasrac.or.jp/info/network/pickup/movie.html

 

次回は、『YouTube編(3)”替え歌”動画にも注意すべき点はある?』について解説します!

【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(1)動画撮影時の注意点とは!?



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