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【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編(3)第三者にブランド名や商品名を真似されて、先に商標を取られてしまった!諦めるしかない?

連載記事

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

 

日常に潜む知財シリーズ第2弾!

第1弾では、どの世代もよく利用している「YouTube」に隠れた知財についてお届けしました。

 

第2弾は、「クラウドファンディング」です!!

時代の変化とともに、起業をしようとする若者が増えている昨今。

誰でも簡単に登録ができる上、自分のプロジェクトを知ってもらうきっかけにもなるため、クラウドファンディングを利用した資金調達も主流になってきていますよね。

しかし、このクラウドファンディングにも、注意しておくべき知財が隠れているのです・・・。

取り返しのつかない事態にならないよう、クラウドファンディングを始める前に、クラウドファンディングに隠れている知財について知識をつけておきましょう!

今回も、One ip特許業務法人の弁理士の先生に、弁理士目線で注意すべきクラウドファンディングの知財について聞いてみました!

 

前回のお話しはこちら↓

【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編(2)特許や商標を出願する前にクラウドファンディングで情報を出してしまったときの対処法は?

 

(3)『第三者にブランド名や商品名を真似されて、先に商標を取られてしまった!諦めるしかない?』

 

前回、共同経営をする予定の友人とうまく連携が取れずに、商標を出願する前にブランド名やTシャツのデザインなどをクラウドファンディングのWEBサイトで公開してしまった私たち。

そうしている間にも時は過ぎ、クラウドファンディングを始めて数か月が経ってしまっていました。

 

「そういえば色々と忙しくて、まだ商標出願してなかった・・・!まぁまだ有名なブランドでもないし、真似する人もいないだろうから、今商標出願すれば大丈夫かな?」

 

とりあえず商標の場合は、他人に先に出願されなければ大丈夫とのことだったので、これから急いで出願をすることに。

 

しかし・・・

 

友人A「あれ・・・これ私たちのブランド名と同じだよね・・・。」

 

なんと、私たちがクラウドファンディングを公開したあとに、同じブランド名でクラウドファンディングを始めている人を発見!!!!

 

「うわ、しかも商標出願されている・・・。」

 

そして、まさかの先に商標出願をされてしまっていたことが発覚!!!

 

想いのこもった大切なブランド名。

 

このままでは使用することができなくなってしまう・・・。

 

このような事態になったとき、もう諦めるしかないのでしょうか。

 

\教えて!弁理士の先生!/
『第三者にブランド名や商品名を真似されて、先に商標を取られてしまった!諦めるしかない?』

前回でもお話しした通り、日本の商標法は先願主義です。

基本的には、先に出願をした者に権利を与えるというルールがあるため、先に使用していても横取りされてしまうということはあり得る制度となっています。

もし先に出願されてしまった場合、以下の方策での対応が可能です。

(1)相手の権利をつぶす
相手の出願に対する情報提供、特許庁へ権利に対しての異議申し立て、不使用取消審判や不正使用取消審判、無効審判などを請求する。

⇒特徴:コストが高い(10万円以上)、時間もかかる、なかなか認められない。

(2)不正競争防止法
自社の商品が周知、著名となっているなど一定の条件を満たしている場合には、不正競争防止法違反→差し止め、損害賠償が可能

⇒特徴:ただし、相手方の商標権が成立している場合には、自社の使用が相手方の商標権を侵害していると反論されてしまうリスクがあり、商標権侵害にあたって逆に刺されることがある。

(3)商標出願
別の区分など、もし出願できる余地がある場合には商標出願をする。

⇒特徴:権利化できる範囲がかぎられているので、商標が使用できる事業が制限されてしまう。

ただ、(1)~(3)ともに、成功確率は低く、コストもかかるため、リスクが高いです。

そのため、今回のような第三者に先に出願されてしまったケースというのはよくあることですが、多くは名称変更をするというのが現実です。

また、自社で使用する場合に、対象のブランド名が周知性を獲得している場合には、先使用権が認められる可能性が高いため継続使用は可能ですが、その場合でも先に出願されてしまっている以上、権利化はできません。そのため、使用できたとしても不安定な状態となってしまいます。クラウドファンディングのケースでは、自己のブランドの周知性が高くない前提で対応をすることが、後々リスクにならないと考えます。

このような事態を避けるためにも、やはり先に出願しておくことをおすすめします。

「先に出願されても、いくつか対抗する手段はあるけど、成功率は低いし、お金もかかってリスクが高いんだな・・・こんなことになるなんて思わなかった。後悔しても遅いけど、もっと早く出願していればよかった・・・。」

後悔しても時すでに遅し。

さて、先行き不安な私たちのクラウドファンディングは、これからどうなっていく!?

次回は、『クラウドファンディング編(4)他社から商品やサービスが似ていると訴えられた!そのときどうすればいい?』について解説します!

前回のお話しはこちら↓

【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編(2)特許や商標を出願する前にクラウドファンディングで情報を出してしまったときの対処法は?

日常に潜む知財シリーズ 第一弾 YouTube編はこちら↓

【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(10)≪完全保存版≫一発丸わかり!動画配信で気を付けるべき知財のまとめ



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