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見る方向で絵が変わる!?国内最高峰のコンピューターグラフィックの学会「VC+VCC 2021」でVC論文賞を受賞!株式会社ドワンゴの櫻井さんの驚くべき技術とは?(#2)

インタビュー

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

 

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#1目次:
1.古典的な技法で受賞できたのはラッキーだった
2.「表面のボコボコが気持ち悪い」から試行錯誤
3.建造物や避難のための看板などに応用可能

https://yesip.jp/ceo_interview/dwango2-1/

 

思いついた時点で知財部の適切なサポートが受けられた

 

―この技術の開発過程で、知財にまつわる議論はありましたか?

ありました。

私は技術開発をする中で、積極的に会社の経営層に制作したものを見せたり、学会で発表をするかなどについての相談をよくしていたのもあり、今回も経営層から「面白い技術ができたみたいだから特許を取ろうか」という話が出ました。

当社で実施が前提となる技術ではないものの、面白いから特許出願していこう、という話になり、約1ヶ月位でヒアリングと出願を終わらせました

 

―結構スピーディーに進んでいったのですね!

そうですね。知財部の方には色々とサポートしていただき感謝していますし、迷惑をかけたのではないかという気持ちになっています(合掌)

 

―既に特許は登録になっているのでしょうか?

幾つか出願しているのですが、この技術自体は1年前くらいに作ったものなので、もう登録されていると思います。(特許第6899476号)

 

―先ほど、知財部の方と相談したうえで、最初の試作品を外部に見せて、フィードバックをもらってから次に進んだとお話しされていましたが、その際にも知財的な動きがあったのでしょうか?

すでに知財部との繋がりがあるということもあり、思いついた時点で知財部には言うようにしています。出願してから専門家に見せるという段取りで動いています。

 

―技術を生み出す役割の櫻井さんが、思いついた時点で知財部の方にお伝えして、知財の方もしっかりとはじめから対応できる範囲で適切な対応をしてくれているというのは、とても恵まれた環境ですね。

そうですね。そう思います。

 

産業として扱えるなら権利として特許は持っておくべき

 

―知財を活用した今後のビジネス展開についてはどうお考えでしょうか?

いずれはビジネス展開していきたいと考えています。

でも、ビジネス展開ってなかなか難しいですよね。コア技術はあっても、そもそも社内にノウハウがありません。また、製造についてパートナーができればいいですが、なかなか私自身に営業の経験もなく、アピールする方法がわからないので、まだ具体的な計画は立てられていません。

 

―ビジネス展開について知財部の方とお話しはされているのですか?

しています。

ただ、私たちだけではモノは作れません。きちんと基礎技術を固めて、モノを作ってくれる工場や企業などのパートナーを見つけたり、もしくはもっと簡易的な制作方法を生み出して、今回の基礎技術を応用することが出来れば可能性があるかなと思っています。

また、世の中にもっと3Dプリンターが広まって、一般家庭でも印刷できるような状態になれば事業になるかもしれないと考えています。ただ、まだ計画的に進めていくには弱いかなと感じているのが正直なところです。

 

―ITエンジニアの業界だと、特許などの知財にネガティブな方、つまりオープンソースがかっこいいという考えを持っている方も一定数いらっしゃると感じます。この点について、櫻井さんはどういう感覚ですか?

私自身は、必ずしもオープンソースがベストだと思ってはいません。むしろ、産業として扱えるなら権利として特許は持っておくべきだという考えです。また、それをどういうライセンスにするかは経営層が判断していけばいいかなと思っています。

エンジニアの方で、もし特許に関して、会社が技術を抱え込むというような印象でネガティブな考えの方がいるのであれば、あまり特許について詳しくないかもしれない、と感じます。

なぜかというと、特許は公表されます。そして産業にのみ有効です。学術や研究のためなら、技術自体は自由に使えます。そうなると、概念的にはオープンソースと大きく変わりません。そういう意味では、本当に技術を追求するだけなら、特許を気にする必要はありません。

一方で、特許は産業の発展に貢献するので、産業に生かされているエンジニアなら特許をポジティブにとらえるのが妥当だと考えます。経営に還元するといったように、経営判断に使うために特許をどんどん出願していけたらいいのかなと思います。

 

広報部や知財部の方の手厚いサポートに感謝している

 

―ドワンゴの社内には櫻井さんの他に研究開発をしている人はいるのでしょうか?

います。ただ、その方は新規の技術ではなく出口をたくさん探すような研究をしています。

詳しくはわかりませんが、恐らく、基礎技術的な話をしている人は私以外にいないと思います。

 

―新しい技術を開発した時のドワンゴ社内の反応はいかがですか?

色々手厚くサポートしてもらっています。

広報の方と繋げていただいて、今回のインタビューのようにアピールする場を設けていただいたり、知財部の方にも繋げてもらって知財のサポートをしていただいたりと、色々な機会をいただいているのでありがたいです。

 

―櫻井さんが所属しているチームの社内的ミッションは何でしょうか?

見た目に関する技術をプッシュしていくことですかね。大きなミッションとしては、新規の事業開発です。

ドワンゴはニコニコ動画が大きな柱となっていますが、ニコニコ動画ではない事業開発の一つとして、新しい技術を開発して売るまでの道筋を考えています。

 

―今チームの人数は何名ほどですか?

技術に関しては、私1人です。

研究開発に関するアドバイスではなく、社内を渡るためのアドバイスをしてくれている人を含めると5〜6人になります。

 

―最後に、櫻井さん自身の今後の目標はありますか?

2つあります。

1つ目は、この技術を成熟させて、使いやすい技術に落とし込みたいと考えています。そして、それを世の中に広める活動をしていきたいです。今思いつく方法としては、世界トップの学術会議で発表して色んな国で興味を持ってもらえると良いかなと思っています。

2つ目は、先ほどもお話ししましたが、ビジネス展開を目指していきたいと考えています。世の中に浸透させていくという直接的なことをしていきたいですね。

 

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#1目次:
1.古典的な技法で受賞できたのはラッキーだった
2.「表面のボコボコが気持ち悪い」から試行錯誤
3.建造物や避難のための看板などに応用可能

https://yesip.jp/ceo_interview/dwango2-1/

 

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