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【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編(4)他社からプロジェクトの商品やサービスが似ていると訴えられた!そのときどうすればいい?

連載記事

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

 

日常に潜む知財シリーズ第2弾!

第1弾では、どの世代もよく利用している「YouTube」に隠れた知財についてお届けしました。

 

 第一弾 YouTube編はこちら↓

 

第2弾は、「クラウドファンディング」です!!

 

時代の変化とともに、起業をしようとする若者が増えている昨今。

誰でも簡単に登録ができる上、自分のプロジェクトを知ってもらうきっかけにもなるため、クラウドファンディングを利用した資金調達も主流になってきていますよね。

しかし、このクラウドファンディングにも、注意しておくべき知財が隠れているのです・・・。

取り返しのつかない事態にならないよう、クラウドファンディングを始める前に、クラウドファンディングに隠れている知財について知識をつけておきましょう!

今回も、One ip特許業務法人の弁理士の先生に、弁理士目線で注意すべきクラウドファンディングの知財について聞いてみました!



前回のお話しはこちら↓

【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編(3)第三者にブランド名や商品名を真似されて、先に商標を取られてしまった!諦めるしかない?



(4)『他社からプロジェクトの商品やサービスが似ていると訴えられた!そのときどうすればいい?』



~これまでのあらすじ~

ブランド名をプリントしたTシャツのアパレルブランドを立ち上げようと、クラウドファンディングを始めた私たち。

しかし、商標出願をする前に、クラウドファンディングのサイト上にブランド名などの情報を開示してしまい、第三者に真似されてしまった!

さらに、その後も忙しさを理由に商標出願を先延ばしにしていたために、その第三者に先に商標出願されてしまった・・・!トラブル続きの私たちに、さらなるトラブルが襲う・・・!?




―数日後



リスクとコストを考えると、相手を訴えるのは難しい。

こうなったらブランド名を変えるか・・・でも想いのこもったブランド名だから変えたくない・・・。

 

そんな気持ちでいたある日のこと。

 

私たちのもとに1通のメールが届きました。



メール✉
≪弊社の商品と似ていますので、直ちにクラウドファンディングを削除してください。≫

なんと、その送り主は私たちのブランド名を真似して先に商標出願していた例の会社から!



「商標出願を先延ばしにしたばっかりに、こんなことになるなんて・・・。どう対応したらいいのかな・・・。」





\教えて!弁理士の先生!/

『他社からプロジェクトの製品やサービスが似ていると訴えられた!そのときどうすればいい?』

【特許・意匠の観点】

自分たちの製品やサービスが他人の特許権を侵害している、デザイン等が似ていると思われるときには、相手から警告が来るケースがあります。すでに資金調達が整っていて、いざ製品を作り始めようとしているときに警告が来てしまうと、場合によってはもうその製品やサービスを作れなくなってしまいます。そうなると、リターンどころの話ではなくなってきます。

この状況を未然に防ぐためには、クラウドファンディングを始める前に事前に特許調査をしておくことが望ましいです。しかし、いきなりしっかりと特許調査をするとなるとどうしてもお金がかかってきます。ですので、まずは自分が調べられる範囲だけでも調べておくのがいいでしょう。例えば、自分が作っている製品やサービスと似たものを作っている会社の特許をさらっておくということだけでもやっておくのがいいと思います。

もしも、その製品やサービスがすごくヒットして量産するようになった場合には、特許侵害として問題になることがあるかもしれません。例えば、製品を量産する場合に、量産先が特許侵害品の製造の片棒を担ぐようなことになってしまうこともありますので、量産品の製造前にクリアランスをしておく必要は十分にあると思います。ただし、それほど製品の数が出ない場合は、クラウドファンディングレベルだと特許侵害と訴えるほうがコストがかかるので、少なくとも訴訟となるケースは低いと思います。ただし、リーガル的なリスクは低くても、レピュテーションリスク(いわゆるパクリ扱いにされ、信用が落ちる)もありますので、他者の特許のケアはやはり必要になると思います。ですので、事前に専門家に相談に相談することが重要だと思います。

【商標の観点】

特許と同じで、警告を受けた場合には、無視せずに、まず警告を送ってきた会社が商標を保有しているか、どんな商標を保有しているかを確認してください。その際、該当する商標があまりにも自分の商品やブランド名と似ていない場合には、非類似である旨の回答をします。もし似ていると判断した場合には、名称変更も念頭に考えておく必要があります。

いずれも実際の回答方法に関しては、自分たちで判断せずに専門家に相談した方が良いでしょう。

 

「弁理士の先生に相談した結果、リスクを考えると今回は名称変更をするしかないとのことだった・・・。すっごく悔しいけど、今回は私たちの知財に対する知識不足と、忙しさやお金を理由に商標出願をしていなかったから起きたこと。でも、この体験で知財の重要性をより深く感じた。こんな悔しい体験を二度としないように、これからは真っ先に知財を意識して行動しよう。」




今回は、名称変更をすることにした私たち。

 

実はこのように第三者に先に商標出願をされてしまって、やむなく名称変更をすることになったという事例は少なくありません。

 

スタートアップは、特に最初のころはお金や時間に余裕がなく、知財を後回しにしてしまうケースが多いと思います。

 

ですが、こういった知財トラブルは意外と身近に潜んでいます。

 

後悔することになる前に、まずは少しでも知財について考える時間を持つことが重要です。




次回より、第三弾『プレスリリース編』がスタートです!お楽しみに!




前回のお話しはこちら↓

【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編(3)第三者にブランド名や商品名を真似されて、先に商標を取られてしまった!諦めるしかない?

 

日常に潜む知財シリーズ 第一弾 YouTube編はこちら↓

 



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