【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(7)ゲーム実況でゲーム画面を載せても問題ない?
この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
近年、子供の将来なりたい職業ランキングでも『YouTuber』が上位にあがるほど、どの世代からも人気のあるYouTube。どんな人でも気軽に自分の好きなコンテンツで動画を配信することができるため、多くの方が利用していますよね。
ところで、皆様は動画を撮影するにあたって、いくつか注意点があることをご存知でしょうか?
きちんと理解せずに動画の撮影や投稿をしていると、後にトラブルに発展してしまうことも・・・。
そこで今回は、One ip特許業務法人の弁理士に、弁理士目線でYouTubeの動画撮影から投稿に至るまでの注意点を聞いてみました!
↓前回のお話しはこちら
【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(6)商品やパッケージは著作物にあたる?
テーマ⑦:『ゲーム実況でゲーム画面を載せても問題ない?』
とある日のこと。
「最近面白いゲームGETしたんだよね~!実況風にYouTubeで紹介したいな~!」
ということで、早速ゲーム紹介をするべく、企画を考えていた。
と、その時・・・
「あれ、そういえば、ゲーム画面って動画に載せてもいいのかな?ゲームしている画面を載せたほうが、面白さが伝わると思うから載せたいけど・・・まぁでも画面載せてる人って結構いるし、大丈夫か!載せちゃおうかな!!」
ちょっと待って、私!!!!
動画をアップしてから著作権侵害していた!なんてことになったら大変だぞ!!
少しでも不安があったら、そう!!事前に弁理士の先生に聞いてみよう!!!
\\教えて!弁理士の先生!//
??ゲーム実況でゲーム画面を載せても問題ない???
『ここ最近はゲーム実況をライブ配信したりアップロードしている人をたくさん見かけますよね。
ゲーム映像に関しては、これまでも著作権について数多く議論されておりますが、現状、ゲーム映像は原則として映画の著作物になります。そのため、ゲームの映像やスクリーンショットを無断でYouTube等にアップするのは、著作権の侵害にあたる可能性があります。
しかしながら、ここ10年くらいで、ゲームの楽しみ方として新たなニーズとしてゲーム実況のジャンルが確立されてきており、ゲーム会社側も広告的な役割を狙って、ゲーム映像の配信をあえて黙認しているところもあります。
実際にYouTubeやニコニコ動画には多くのゲーム実況動画が存在していますが、きちんとルールに乗っ取ったかたちでアップロードされているものについてはOKかなと思います。例えば後述するように、任天堂はゲーム実況等についてはガイドラインを設けており、そのガイドラインに則っている動画や画像であれば、YouTube等にアップロードしてもよいとされています。
他にも例えば、プレイステーションの場合は、ゲーム映像において録画ができる場面と出来ない場面があり、予めコントロールされています。このような録画禁止場面においてはアップロードを認めない、というように、テクノロジーにより制御されている場合もあります。逆に録画やスクリーンショットが可能な場面の場合に、コントローラに撮影をするためのボタン等もありますので、むしろ積極的にアップロードできるような機能が実装されていたりします。
ただ繰り返しますが、ゲーム映像の動画や画像のアップロードは、原則としては著作権の侵害となり得ます。そのため動画をアップロードする際は、どこでどういう形で配信するのか、転載の許可がされている範囲かどうかを、遊んでいるゲームのメーカーやゲームのガイドラインで確認したうえで、アップロードすることが好ましいと言えます。
ゲーム会社は、動画のアップロードについて黙認しているとはいえ、著作物を放棄しているわけではないので、動画をアップロードする場合はルールをしっかり守るようにしましょう。』
「勉強になるなぁ。よし!各ゲーム会社のガイドラインはネット検索で出てくるから、まずはしっかりとガイドラインを確認して、ルールを守ってアップロードすることにしよう!」
【参考】各ゲーム会社のガイドライン
・任天堂のガイドラインはこちら
・コナミ(桃鉄)のガイドラインはこちら
・Capcomのガイドラインはこちら
つづく。
★おまけ★
📚弁理士おすすめの著作権に関する図書📚
次回は『無料アプリに入っている音楽は許可なく動画に使用してもいい?』について解説します!
お楽しみに!
↓前回のお話しはこちら
【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(6)商品やパッケージは著作物にあたる?