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【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(9)有名なキャラクターも、自分で描いたものなら動画やサムネイルに登場させても問題ない?

連載記事

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

 

近年、子供の将来なりたい職業ランキングでも『YouTuber』が上位にあがるほど、どの世代からも人気のあるYouTube。どんな人でも気軽に自分の好きなコンテンツで動画を配信することができるため、多くの方が利用していますよね。

ところで、皆様は動画を撮影するにあたって、いくつか注意点があることをご存知でしょうか?

きちんと理解せずに動画の撮影や投稿をしていると、後にトラブルに発展してしまうことも・・・。

そこで今回は、One ip特許業務法人の弁理士に、弁理士目線でYouTubeの動画撮影から投稿に至るまでの注意点を聞いてみました!

 

前回のお話しはこちら

【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(8)無料アプリに入っている音楽は許可なく動画に使用してもいい?

 

テーマ⑨:『有名なキャラクターも、自分で描いたものなら動画やサムネイルに登場させても問題ない?』


私はとあるテーマパークに遊びに行った際のVLOGをアップしようと動画編集に励んでいた。

「初めてのVLOG!!色んな人に見てもらいたいから、張り切って作るぞー!」

編集していると、再び疑問が・・・。

「キャラクターってそのまま載せていいのかな・・・。」

これまで著作権について色々と学んできた私は、少しのことでも気になってしまう。

「いや・・・そのまま載せるのは絶対アウトだよね・・・。だってキャラクターも著作物にあたると思うし・・・。あ、でも私が真似して描いたイラストだったらいいのかな?」

―さて、ここで質問です。

有名なキャラクターも、自分で描いたものなら載せることはOKなのでしょうか?

やはりこういうときは、弁理士の先生に聞いてみよう!!!

\\教えて!弁理士の先生!//
??有名なキャラクターでも、自分で描いたものなら動画やサムネイルに載せることはOK??

『著作権の観点から言うと、既にあるキャラクターなどの著作物を真似して描いて(二次創作)漫画を書いたりブログ等に載せる場合は、基本的には著作物の二次利用となり、一般的に著作権の侵害にあたると考えられます。もちろん、動画のサムネイルに載せるのはNGです。

もし動画のサムネイル等にキャラクターのイラストを描いて載せるのであれば、例えばガイドライン等を開示しているものがあればそのガイドラインを見て、使用してもOKなのか、どの範囲まで許されるのか、を確認したうえで使用したほうが良いです。ただひとつひとつ確認するのはとても大変なので、『いらすとや』など著作権フリーのイラストを使用するか、オリジナルのイラストを自分で書くことをお勧めします。

しかし実際は、広告収入もなく権利者に迷惑をかけていないような利用であれば、権利者にもよりますが、キャラクターのイラストをブログや動画等に載せてしまったからといって直接権利者から差し止められる事は少ないかもしれません。例えば二次創作による影響が大きくなかったり、作品のファンとしての活動であったりすれば、権利者としても権利行使をするメリットが小さいためです。

例えば、Twitterなどでイラストの絵をアップするくらいなら、利益を得るような目的でなければ、あくまで個人が楽しむ範囲のものとして黙認されるケースもあると思います。

ただ、描いた絵がキャラクターの世界観を壊すものなど、著作物を故意に貶めるような改変をした場合は、権利者から権利行使されたケースが過去にあります。また、キャラクターの一部を書いたものでも、そのキャラクターを想起させるものであれば著作権の侵害となることもあります。著作物の二次創作に対する権利者の権利行使についてはケースバイケースなことが多いので、ゲーム実況と一緒で、もしガイドライン等があれば事前にガイドラインで確認したほうがいいですし、可能な限り著作権フリーの素材等を使ったり、オリジナルのイラストを使うのが無難でしょう。

また、有名キャラクターを模したイラストの販売は原則的にNGです。同人誌についても、権利者に許諾を得ていない場合は著作権侵害の可能性が高く、あくまでも「黙認」という状態です。

海賊版などで不正に利益を得ていない限りは訴えられるケースは少ないかもしれませんが、あくまで個人が楽しむくらいでとどめておいた方が良いと思います。

また、著作物が動画に写り込んでしまったり、著作権法で定められた引用に則った利用をしているなど、権利行使が制限されるケースもありますが、不要なトラブルを避けるには、他人が著作権を有している著作物を利用していることによるリスクがどの程度あるのかは予めきちんと理解しておいたほうが良いでしょう。

「自分が楽しんで描いたものなら訴えられることは少ないとはいえ、やっぱりいらすとやなどの著作権フリーのサイトでイラストを探した方が安心だね!しかし、YouTubeひとつでもこんなに著作権が隠れていたなんて・・・YouTube配信をやってみようと思うまで気がつかなかったなぁ。新しいことを始めるっていいな!いい勉強になった!!」

―つづく。

★参考URL★

いらすとや:https://www.irasutoya.com/

★おまけ★

📚弁理士おすすめの著作権に関する図書📚

次回、YouTube編のまとめ!!
これまで学んだYouTubeに関する知財をおさらいします!!

前回のお話しはこちら

【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(8)無料アプリに入っている音楽は許可なく動画に使用してもいい?



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