【日常に潜む知財シリーズ】プレスリリース編(2)特許出願中(公開前)や商標出願中の段階でプレスリリースを出すときの注意点って?
この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
第1弾 YouTube編はこちら↓
【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(10)≪完全保存版≫一発丸わかり!動画配信で気を付けるべき知財のまとめ
第2弾 クラウドファンディング編はこちら↓
【日常に潜む知財シリーズ】クラウドファンディング編≪完全保存版≫一発丸わかり!クラウドファンディングの思わぬ知財の落とし穴!
日常に潜む知財シリーズ第3弾です!
スタートアップの皆さんにとっては馴染み深い『プレスリリース』。
新しいサービスや技術を開発し、それを広く世の中に周知させるためにプレスリリースを出しますが、だからこそ気を付けなければいけない知財が隠れていることを皆さんはご存知でしょうか。
無防備にプレスリリースで情報公開をしてしまうと、後に大きなトラブルに巻き込まれることも・・・!?
今回もOne ip特許業務法人の弁理士の先生に、弁理士目線で注意すべきプレスリリースの知財について聞いてみました!
(2)特許出願中(公開前)や商標出願中の段階でプレスリリースを出すときの注意点って?
前回のお話し↓
【日常に潜む知財シリーズ】プレスリリース編(1)プレスリリースのどのくらい前に特許や商標は出願しておくべき?
無事にプレスリリースで情報公開する前に特許出願をすることができた私は、早速プレスリリースを作成していた。
「どうやって書こうかな・・・。そういえば、特許出願中の段階でプレスリリース出すときって、どこまで情報だしていいのだろう?書くときに気を付けなければいけないことってあるのかな?」
不安になったら居ても立っても居られない。
弁理士の先生に聞いてみよう!
\教えて!弁理士の先生!/
『特許出願中(公開前)や商標出願中の段階でプレスリリースを出すときの注意点ってありますか?』
【特許・意匠の場合】
出願中でもプレスリリースを出すこと自体はOKです。ただし、その時点でもし出願した内容がプレスリリースに含まれていれば、その内容がオープンになるので、その後に公開した内容に基づいた改良発明を出す場合には注意が必要となります。
注意する点としては、プレスリリースにどこまで書くのかというところです。例えば、ドローンの羽根の新しい構造に関するプレスリリースを出したとして、その後に羽根の構造をマイナーチェンジして再度出願をしたときに、以前のプレスリリースで開示した情報により、マイナーチェンジした構造が新規性なしと判断されてしまう可能性があります。
また、『特許出願中』と書いても書かなくてもどちらでもOKです。ケースバイケースで考えたほうがよいと思います。
例えば、プロダクトやサービスを開発中であったり、正式なものが出来上がっていない段階では、『特許出願中』であることをあえて言わなくてもよいと思います。競合に警戒されてしまう可能性が高いためです。
一方で、『正式にこんなサービスを出した』、『こういうプロダクトを作っていて、今後は共同で進めていきたい』など、すでに正式にプロダクトやサービスをリリースしていて、今後はより多くのユーザにプロダクト等を届けたい場合や、他企業と共同で進めていくためにきちんと知財を固めていることをアピールしたい場合には、『特許出願中』と書いたほうがいいと思います。これらはすべて意匠の場合も同じです。
【商標の場合】
商標の場合は、『商標出願中』と書いたほうがいいと思います。
今後使いたいと思っている言葉や広めていきたい言葉に『TMマーク』や『商標出願中』と書くことで、この言葉といえばこの会社というようにブランディングの効果があります。
「特許や意匠の場合は出願したからといって、情報を出しすぎるのは危ないのか・・・!商標の場合は、出願中でもTMマークをつけることでブランディング効果があるのは知らなかった!プレスリリースひとつでも戦略として使えるんだなぁ。」
起業してから初めて出すプレスリリース。
色々とつまづきながらも、必死に作成中。
果たして無事にプレスリリースを出すことができるのか!?
次回は『プレスリリース編(3)他社のプレスリリースのフォーマットを真似した!これって問題になる?』です!お楽しみに★
前回のお話し↓
【日常に潜む知財シリーズ】プレスリリース編(1)プレスリリースのどのくらい前に特許や商標は出願しておくべき?
第1弾 YouTube編はこちら↓
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第2弾 クラウドファンディング編はこちら↓
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