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「イノベーションを促進したい」特許調査ツールAmplifiedが広げる知財の可能性 #2

インタビュー

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

様々な特許調査プラットフォームが生まれている昨今。その中でも、独自開発のAIを搭載した「Amplified」は、誰でも簡単に素早く、また的確な検索ができる特許調査ツールとして知財業界で働く多くの人をサポートをしています。

今回は、株式会社amplified aiのCEO Sam Davisさん、COO 追川康之さんにAmplifiedの誕生秘話や独自AIを開発するまでの道のり、またAmplifiedの活用方法などをお伺いしていきます。

―#1はこちら

「イノベーションを促進したい」特許調査ツールAmplifiedが広げる知財の可能性 #1

ーAmplifiedを活用する上でのポイントはありますか?

Samさん

AmplifiedはAIを活用したツールで、従来の検索式を用いる調査ツールと比較すると、人間側に必要とされるスキルが変わってきます。Amplifiedを最適に活用するには、技術を他人に伝えるスキルが必要です。人間同士は会話をするので、解らない点が出てくると疑問や質問が返ってきます。それと同じ感覚で、Amplifiedと意思疎通するために文章を変えながら対話式でデータを掘り出していき、不安が残るエリアを潰していくように使ってもらうのが良いかと思います。

ースタートアップや、発明者にオススメな利用方法はありますか?

追川さん

研究者や発明者の立場から見ると、文献として特許を読みたい時にも、Amplifiedが活きると思っています。文献として特許を読むときは、権利の範囲を知るためとか、自分が考えているアイディアを他の人はどのように考えていたのか知りたいとか、あるいは既にある商品が特許になっているか調べたいなど、様々な理由があると思います。個人的には新しいアイディアを考える時に特許を読むのが好きで、お客様にも是非そのようなシーンでAmplifiedを試してみて欲しいと話しています。

アイディアを考えたり発明を作る時、文字に落とし込んで文章にすれば、自分が何を解っていて何が解っていないかが明確になります。その文章に落とし込むタスクを意外とみんなやっておらず、発明の課題点が不明瞭なまま進んでしまうことも多いです。その文章と似た特許を文献として気軽に読めれば、その特許から課題や具体例を知ることができます。Amplifiedの新しく面白いところは、特許を文献として、アイディアを文章にしながら読めるところです。

ですので、発明者や企画を考える方など、アイディアを生み出す現場でガンガンAmplifiedを使って欲しいと思っています。この使い方のポイントは、審査官のメンタリティで同じ言葉を探すのではなく、自分と考えが似ている「同じようなもの」を探すことです。魅力的な市場であればあるほど大企業をはじめとする先人が既にチャレンジしているはずで、なぜ実現できなかったかを探る事が非常に重要です。過去のデータを読み解けば見落とされていたことが見つかるかもしれないし、課題が解れば自分たちの発明がより前に進みます。そのような使い方はスタートアップととても親和性が高く、面白い発明が生まれるサポートをAmplifiedができると考えています。

ーAmplifiedが今までの特許調査プラットフォームと明確に違うのはどのような点でしょうか?

Samさん

そもそもの作り方が違います。5年前は不可能だったことを、ディープラーニングなどの技術を活用することで可能にしています。従来の検索技術は単語の意味をその分布から獲得するという技術です。Amplifiedがディープラーニングで作っているのは文章の意味を学習して比較する技術です。特許で表現される複雑な技術は、数個の単語で表現することはできません。人間の感覚としても、文章から抜き出した数単語から、もとの文章を再構成するのは難しいでしょう。単語がヒットしたとしても、その文章が表現しているものが自分が探しているものに似ているかどうかは、その文章を読むまでわからないのです。名前のない「文章によって表現された何か」を効率的に検索するためには文章単位での意味の比較が必要です。単語選びがうまくいって「たまたま成功する」のでは信頼できるサービスとは言えません。

Amplifiedは従来のサービスでは不可能だった、開発当初に我々が技術的に成功するかどうか一番不安に思っていた「文章の意味を学習によってデータ化すること」に成功したので、皆さんに支持していただける良いサービスになりました。昔の機械学習は、何かデータがあり、人間がルールをかけ合わせることで結果が出てきます。そうなると人間がルールを作らなければならず、一つのルールで全ての特許を対応させるのは非常に難しいです。ディープラーニングはデータと結果があればルールを自分たちで作ってくれます。そちらの方が考え方がより人間に近く、効率的なデータ検索を可能にします。

また、UIも重要です。機械に入力するとき、人間はどうしてもサボりがちです。特にAmplified特有の「文章を入力」することは、これまでのツールではなかったことです。そのため、検索のための文章や単語の入力を自然かつ柔軟に行えるよう、Amplifiedには人間と機械の対話式のUIを備えました。一つのルールを当てはめて終わりではなく、使いながら様々なルールや視点で検索するプロセスを可能にし、結果としてより検索主のニーズに合った調査結果の提示を可能にしています。

追川さん

プロダクトとしての思想の違いもあります。従来の調査ツールは検索式で、他のAIを謳うツールもこれを脱却できていません。それはなぜかというと、それらの製品は従来の特許調査方法をサポートする事に価値を置いているからです。特許調査は凄く不思議な業界で、サービスの価値が結果ではなくプロセスで決まっています。どんな手段を用いても絶対に抜け漏れがないことは証明できないので、合理的なプロセスで調べたからお金をもらえる価値を担っているというロジックなのです。しかし、調査結果を受け取る側はプロセスはどうでも良くて、読むべき文献が手元に届く事が重要です。Amplifiedで読むべき文献を簡便に手元に届ける、それ自体が価値のある事ですが、我々はもっと先を見ています。特許を読む事の本当の価値は、見つけた文献を読んで理解した後の、人間の知的作業にあると考えています。そこを強化していきたいし、そのためのツールとして進化していくための研究開発を進めています。

 

ー今後の目標を教えてください。

Samさん

最終的な目標は特許をもっと広く、平等に使えるようにしていきたいです。特許の制度自体が情報量に追いついていないので、大企業がものすごく多くの数の特許を取れば、結局数の勝負になってしまう。本来、特許はイノベーションを加速させるためのシステムなのに、凄く勿体無いと感じています。特許が本来あるべきシステムの良さを取り戻すためには、専門性がなくとも、技術さえ理解していればデータとして特許を簡単に扱えるようにしなければなりません。膨大な特許データを処理でき、余計なコストを圧倒的に下げる事で、価値ある特許を生み出すサポートをAmplifiedで実現していきたいです。

 

追川さん

今は調査ツールとして認識していただいていますが、そこから少しレイヤーを上げていきたいと考えています。調査というプロセスに価値を置くのではなく、調査結果を見た後に何を考え、どう行動するか、そこをサポートできるようなソフトウェアツールを目指しています。

 

Samさん

世の中の膨大な情報を処理し、的確に届ける。Amplifiedで、イノベーションを促進していきたいです。

 

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