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【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.2 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(1)』

イベント

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

 

Vol.2 IPAS2020支援先15社によるピッチ(1)

 

Vol.1 開会の挨拶とIPAS2020の概要についてはこちら↓

【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.1 開会の挨拶とIPAS2020概要説明』

 

メンタリングによって自分たちでは分からないことが検討できた

inaho株式会社  菱木 豊 氏

弊社は野菜の収穫ロボットを開発しています。直近の事例としまして、アスパラガスの収穫ロボットを開発しました。通常アスパラガスの収穫は、人が「25cm以上」という収穫基準を満たしているかどうか目視で確認していましたが、開発した収穫ロボットにより、1本ずつ正確に判別して収穫することができるようになりました。現在、ほとんどの野菜は人が目視で確認し収穫しています。そこをロボットで自動化することで、収穫の負担を減らすことができます。またどなたでも導入がしやすいように、ロボットが採取した分を課金していただくという従量課金型のサービス形態を導入しています

次に、IPASでの取り組みをご紹介します。まず始めに、メンターの皆さんにご協力いただきながら特許調査をしました。競合他社と比較した時の我々の技術の強みを洗い出し、他社がどのように事業展開しているのかなど、1つ1つの出願内容を見ていきました。特許調査の結果から「ここは空いている」「ここは様子を見よう」などが網羅的に確認できたことが大きなメリットでした。

またメンタリング中に、実際に特許を一件出願しました。メンターの皆さんに、我々がPoCで開発しているプロダクトを実際に見ていただき、今後の知財戦略へのアドバイスや請求項などもレビューいただきました。抜け漏れがないかなど、将来的な補填の部分までアドバイスいただき、自分たちのリソースでは考えられないところまで検討することができ、良い特許出願ができたと思います。またビジネスモデルでも知財面からのアイディアをいただき、新たな新規事業を考えることができ、非常に良い機会をいただきました。

 

中長期的な知財戦略を目指す

Cellid株式会社   白神 賢 氏

私たちは2017年設立の空間認識技術とナノテクノロジーに強みを持つスタートアップです。当社は「スマートフォンから両手と両目を解放する」をミッションに掲げており、ARグラスの開発と、ARグラス向けにウェイブガイド方式のディスプレイとソフトウェア(Cellid SLAM)を開発しています。Cellid SLAMは、ARグラスをはじめ既存のスマートフォンやタブレット、スマートグラスなど様々なデバイスに組み込み可能で、建物などを寸分違いなく投影できることから製造業や建設業での導入が進んでいます。

今回のIPASプログラムでは中長期的な知財戦略を策定しました。現在は基礎技術の権利化を進めており、ソフトウェアでは4件出願済み、3件出願準備中です。ハードウェアでは12件出願準備を進めています。今後の製品化が進むにつれて、デバイスやアプリUIの出願を見込んでいます。また特許調査を行い、競合他社の特許を洗い出し、今後の知財戦略に活かしていく予定です。

トラクションとしまして、国内外エレクトロニクスメーカーとOEM販売に向けて協業を開始、光学材料メーカー他数社とR&Dを実施しています。その他製造業、建設業、ゲーム領域にてソフトウェアでの実証実験を進めています。こちらも現在4件の発明を基本特許として出願済みで、20件の発明を出願準備しています。

 

事業戦略の策定から特許調査まで

株式会社GCEインスティチュート 三田村 聡 氏

2016年の創業期より、ナノテクノロジーによる革新的クリーンエネルギーの発明を手がけています。技術系スタートアップであるがゆえに、知財を重要なところに位置付け、独自技術の差別化手段として捉えています。今後はビジネスと知財の両軸から、将来像達成のための課題を解決するためにIPASに応募しました。

当社の知財方針とIPASでの取り組みをご紹介します。当社の知財方針は、①重要な経営資源、②独自技術の差別化手段、③競争優位性の確保と定めています。2023年以降の事業化を目指すにあたり、ビジネス面ではターゲット顧客の絞り込み、知財面では基本特許発明だけでは不十分などの課題がありました。

IPAS支援の内容は、事業戦略の策定を中心に行い、日本と米国の先行技術調査を実施しました。成果物しては、ビジネス面ではSWOT分析、知財面では先行技術調査結果です。特許庁で特許調査会社をアレンジいただいて調査を実施し、またメンターの先生方にも事業モデルに対するアドバイスをいただきました。今回の結果をもとに、今後も知財への取り組みをさらに推進していきます。

 

大企業や他企業との接点が生まれた

アンヴァール株式会社 櫻井 重利 氏

私たちは「日本を経済大国に」「CO2の削減」を目標に、水素社会の実現を目指しています。様々な解決しなければいけない課題の中で、今回のIPAS支援では全計画の源となる「マグネシウム」に注力しました。マグネシウムはアルミニウムと比較すると軽くて扱いやすく、様々な事業で活用可能ですが、中国が生産の85%を独占している現状です。当社は、海水から純国産マグネシウムを創出しようとしています。このマグネシウムに関する事業を展開するために、昨年より4つの特許による権利化を進めています。

IPASの取り組みの成果は、金額想定の重要性の認識、出願特許の審査に向けた対策です。メンターの方に事業モデルへのアドバイスや、特許を権利化するための対策方法などをご教示いただきました。また参加して良かった点は、客観的な事業評価や、イノベーションリーダーサミットなどで他企業や大企業との接点を作っていただいた点です。

今後の取り組みとしては、マグネシウムとCO2を燃やすという特質を活かし、排出するCO2の固定化や高熱利用をしていきたいです。またマグネシウムを燃やす際に発生する3000℃の熱で、CO2ネガティブ水素を作り、国産液体燃料として様々な事業への展開を考えています。今回のIPAS支援でさらに事業スピードを加速させることができました。今後もエネルギーや資源に注力して「日本を資源大国に」という目標達成を目指してまいります。

 

※Vol.3 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(2)は後日掲載予定

 

Vol.1 開会の挨拶とIPAS2020の概要についてはこちら↓

【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.1 開会の挨拶とIPAS2020概要説明』

 



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