【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(4)他の人の動画からアイデアを拝借!これってOK?
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【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(3)”替え歌”動画にも注意するべき点はある?
近年、子供の将来なりたい職業ランキングでも『YouTuber』が上位にあがるほど、どの世代からも人気のあるYouTube。どんな人でも気軽に自分の好きなコンテンツで動画を配信することができるため、多くの方が利用していますよね。
ところで、皆様は動画を撮影するにあたって、いくつか注意点があることをご存知でしょうか?
きちんと理解せずに動画の撮影や投稿をしていると、後にトラブルに発展してしまうことも・・・。
そこで今回は、One ip特許業務法人の弁理士に、弁理士目線でYouTubeの動画撮影から投稿に至るまでの注意点を聞いてみました!
テーマ④:『他の人の動画からアイデアを拝借!これってOK?』
とある日のこと・・・
歌ってみた動画のアップに向けて着々と準備を進めていた私。
「歌ってみた動画の注意事項もクリアしたし、早速動画アップに向けて編集するぞー!・・・でも、編集なんてやったことないし、サムネイルの作り方もよくわからない・・・。そうだ!他の人たちの動画を見て、参考にしよう!」
他の人の動画を参考にするため、YouTubeを眺めていると・・・
ある不安が過ぎりました。
「いや、待てよ。他の人の動画を参考にして似たような動画やサムネイルを作って載せたら、もしかして著作権違反とかになるのかな・・・。怖いから、一度弁理士の先生に相談してみよう!」
\\教えて!弁理士の先生!//
??他の人の動画を真似して作ったら著作権に引っかかるの??
「そうですね。これはとても判断が難しいところなのです。まず前提として、著作権法は、表現したものの権利を守るための法律です。
よって、アイデアや表現の方法そのものは著作権の対象ではありません。
また、YouTubeのサムネイルに関しては、文字を大きく書いたり、人物の写真を載せたりと、基本的にどれも構図は似ていますよね。このように構図自体がありふれたような文字や写真で作られているのであれば、サムネイルのデザインが他の動画のサムネイルと似ていたとしても、ある特定の著作物に依拠して作ったといいにくく、著作権の侵害にはなりにくいと思います。
ただし、誰もが一目で特定できるような特徴を持つサムネイルを意識して似たようなものを作成してしまうと、著作権を侵害する可能性がありますので注意が必要です。
また、他者のサムネイルをそのまま使用したり、アレンジを加えることも、著作権的に問題となることが多いですのでお気を付けください。
動画の企画や構成に関しては、アイデアそのもの自体は上で述べたように著作権の対象ではありません。
著作権の対象となるのは、企画を実行した結果に生まれた表現物、つまり動画です。
なので、似たような企画を行ったとしても、編集した結果、元の真似をした動画と内容が変わったのであれば、著作権侵害には当たりにくいと思います。
そっくりそのまま同じ動画を作成しない限り、企画自体を真似ることは著作権侵害には当たらないと思います。
ただし、企画書そのものは著作権の対象となりますので、他者の企画書の複製をすると著作権侵害に当たる可能性が大きいです。」
「なるほど。企画やサムネイルのデザインが似てしまっても、それ自体は著作権侵害にはならないんだな。でも、そのまま使用したり、明らかに意識して作成したものは問題になるかもしれないから、あくまで参考にする程度にしておこう!」
―つづく。
★おまけ★
📚弁理士おすすめの著作権に関する図書📚
次回は、『YouTube(5)サムネイルに著作物をそのまま載せてもいいの?』について解説します!
【日常に潜む知財シリーズ】YouTube編(3)”替え歌”動画にも注意するべき点はある?