fbpx

知財×ロボティクスで世界を変える!DXスタートアップにおける知財の重要性とは #2

インタビュー

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

知財×ロボティクスで世界を変える!DXスタートアップにおける知財の重要性とは #1

前編では、センシンロボティクスが現在の事業に至る経緯や知財戦略の進め方についてお話を伺いました。後編では、実際に知財をどのように活用していこうとしているのか、また小松氏(以下、小松さん)の「知的財産アナリスト」のお仕事に関してもお話を伺いました。

お客様の課題に寄り添う過程で知財が生まれる

-課題解決に向けて、知財をどのように活用していこうと考えられていますか?

塚本さん
私たちは、実際に社員が現場に出向き、顧客の課題に寄り添いながら様々な提案をするという共同プロジェクトを行っています。顧客課題の解決策を、私たちが持っている知見で提案していく中で「それって知財になるよね」という話から知財が生まれることが多いです。知財もプロダクトアウトではなくマーケットインというイメージですね。顧客の課題を解決するためにドローンやロボティクスを活用する過程で知財も生まれるため、まさに知財が課題解決に直結しています。

小松さん
「必須特許なくして市場参入なし」と言われますので、自社開発で良いサービスやプロダクトができても、特許による独占排他権を確保しておかないと、他社の特許権の行使を受けて弊社が市場から追い出されてしまう可能性もあります。そのようなリスクを避けるために、必須特許といえる特許の取得と、特許を面でとる、数を揃えるということを意識してきました。ある程度の数が揃えられたので、そろそろ、取得した特許や知財活動自体を積極的にアピールできる段階に来たと考えています。弊社では本当に新しいアイデアが日々生まれているので、それらの権利化を進めて、弊社の技術力やサービスの信頼性を証明する材料として、特許を積極的に活用していきたいです。また、顧客との共同プロジェクトで、顧客の課題解決のために開発した技術については、顧客と共同で特許出願もしています。顧客と足並みを揃えて、特許の独占排他権を活用した横展開の取り組みも進めています。

 

知財を専門とするメンバーは一人もいなかった

-知財に対する意識向上のために社内で行なっている施策はありますか?

塚本さん
月次で知財戦略会議を開催を行なっています。そのほかでは、毎週Slackの全社共有チャンネルで小松が知的財産アナリストの資格を活用して知財の分析を流してくれています。実は、弊社は知財をバックグラウンドに持つ人間が一人もいないんですよ。

―え!そうなんですか?!

塚本さん
リソースもないので知財専門の方を雇うこともできなくて。そんな時に手を挙げてくれたのが法務をしていた小松でした。小松が知財に興味があったということもプラスに働き、自ら積極的に勉強してくれたため、ノウハウも一気に貯まり、知財担当を担ってくれました。小松なくしてセンシンロボティクスの知財戦略はありませんでしたし、こういう方がスタートアップにいてくれるのは凄く稀で恵まれているなと思っています。

小松さん
知財担当がいくら頑張っても、経営陣が知財の重要性を感じていないと動きづらいと思うのです。弊社では各役員が全社員に対して週次でコメントを発信しているのですが、その中で知財に関するものもあり、そのおかげで会社全体で知財に関する意識も上がってきています。知財担当としては、役員の理解も得られているということで、とても動きやすい環境といえます。

-小松さんはどのような思いを持って知財担当に手を挙げたのでしょうか?

小松さん
私はもともと知財には法務業務の一部として関わっていた程度で、ソフトウェア特許の必要性・有効性に関しても懐疑的でした。しかし、弁理士と話をして行く中で、ソフトウェア領域の特許の取り方と活用の仕方を知り、積極的に知識の習得も始めたところ、考えがガラリと変わりました。特許をはじめとする知財の活用こそがスタートアップの武器というか、スタートアップの成功要件の一つが知財であると感じられるようになったのです。

 

知的財産アナリストの役割とは

-小松さんが取得された、知的財産アナリスト(※1)という資格について教えてください。

小松さん
知的財産アナリストとは、企業経営、ファイナンス、知的財産の3つの領域の専門性を持ち、経営活動と知的財産活動を結びつける人材とされています。知財情報とビジネス・マーケット情報を統合した自社・競合・市場の分析を通じて、自社の事業戦略や研究開発戦略に対する提言をしていきます。IPランドスケープの担い手として、企業経営と知財戦略の架け橋となる存在です。

-IPランドスケープ(※2)とは何ですか?

小松さん
知財情報とビジネス・マーケット情報とを組み合わせて、将来的な事業環境を踏まえた仮説の構築や、中長期的な事業戦略の構築を試みる考え方です。自社の事業戦略や研究開発戦略の検討のほか、M&Aの際の他社分析にも活用できます。

弊社のビジネスは、ロボティクスという新しい分野のビジネスで、顧客ニーズも前例がないことがよくあります。ロボティクスによる業務変革のアイデアも日々生まれていて、そのような新しい分野こそ、IPランドスケープによる将来予測や仮説構築が、事業戦略や研究開発の方向性の立案に有効と考えています。

-今後のセンシンロボティクスの事業展開について教えてください。

塚本さん
今まではドローンによる点検ビジネスを中心に行っていたのですが、UGV(Unmanned Ground Vehicle)など、ドローン以外のロボティクスも活用し、危険な作業や労働集約的な業務をIoT、ロボットへ置き換えることによって、お客様が安全で効率の良い業務を行えるようご支援していきたいと考えています。私たちは、点検高度化・効率化のソフトウェアサービスの会社であると意識しているので、そこの分野で知財も拡充していきたいと考えています。

直近では、大豊産業株式会社様と共同で採卵鶏舎を自律走行するケージ監視システムを開発し、死亡鶏を検知するAI解析の技術提供を行いました。今後も顧客それぞれの悩みに寄り添いながら社会課題の解決に取り組んでいきます。

(※1)知的財産アナリストについてはこちら
(※2)IPランドスケープ参考図書

知財×ロボティクスで世界を変える!DXスタートアップにおける知財の重要性とは #1



関連記事一覧