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ブラウンオーシャンのトップランナーへ。「病気ゼロ社会」の実現を目指す大学発スタートアップを支える知財戦略とは #2

インタビュー

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。


腸内環境の改善で「病気ゼロ社会」へ—。

株式会社メタジェンは、腸内環境のコントロールによって病気をなくすことを目指した研究開発を行っており、その実現のために知財の活用を精力的に行っています。2019年には、特許庁が主催する知財アクセラレーションプログラム「IPAS2019」の第一期支援先にも選定されています。 

今回の記事では、メタジェンが知財戦略に力を入れるようになった経緯や、知財担当を置いた事で生じた社内の変化など、知財・法務担当の村上 慎之介さんよりお話を伺います。

 

#1はこちらから

ブラウンオーシャンのトップランナーへ。「病気ゼロ社会」の実現を目指す大学発スタートアップを支える知財戦略とは #1

 


ー健康社会の実現に向けて知財をどのように活用していこうと考えられていますか?

腸内環境の研究開発に力を入れていますが、それには「便」の取り扱いが必須です。メタジェンでは、「便」は健康維持に重要な情報が詰まった宝石に匹敵するものだと考えており、便を「茶色い宝石」と呼んでいます。ちなみに「茶色い宝石」はつい先日メタジェンの登録商標になりました。笑

そこで、知財面では「便」に関するところを中心に抑えていこうと考えています。メタジェンが最初に権利化した特許も「糞便の保存方法」でした。その他、まだ公開できることが少ないのですが、「茶色い宝石関連ビジネス」に関する知財も固め始めています。

例えば、私たちは現在、サプリメントを飲んだ際にその効果を得られる人と得られない人の腸内環境の特徴データを集めるなど、個人向け腸内環境評価サービスに向けた基盤技術を開発しています。このような個人向けの腸内環境評価サービスは、現状の腸内環境の状態をフィードバックするだけでなく、「何を食べればよいのか?」「どうしたら健康維持につながるのか」といった改善策やソリューションも合わせて提供すべきだと考えているので、そのための基盤技術を抑える知財戦略も進めています。

 

ー大学との連携で生まれる強みはありますか?

例えば病気のマーカーを見つけようとする場合には、多く患者さんに集まっていただき、データを収集しなければなりません。営利企業のリソースでは、このような基礎研究を大規模に行うことが難しいため、医学部がある大学と連携することでデータが得られるなどのメリットがあります。いわゆる「大学発スタートアップ」は、大学側で基礎的な知財を生み出し、スタートアップがライセンス契約をしてビジネスに活用するという形を取っていると思いますが、ここで重要なことは、#1でも述べたように、いかにビジネスを意識した知財にできるかだと思います。

大学と連携し、スタートアップが共同研究パートナーになれば、出願段階から知財に関われるようになるので、スタートアップがビジネスに活用しやすい権利範囲を設定してもらうことができます。ライセンス先のスタートアップが使いやすい形の特許にして活用してもらうことは、大学にとっても喜ばしいことだと思いますので、win-winの関係が築けると思います。大学との「共同研究」は、研究の部分だけでなく、知財の取り扱いにも積極的に関わることで、スタートアップ側により多くのメリットが生まれると思います。

 

ー直近のニュースを教えてください。

神奈川県立保健福祉大学と神奈川県立産業技術総合研究所との共同で「新型コロナウィルスに感染した経験がある人」の腸内環境の特徴を調べる研究を始めました。該当する方の免疫力や、腸内環境の特徴を見出すことができれば、腸内環境を適切にコントロールすることで新型コロナウィルスへの抵抗性を高める事ができるかもしれません。私たちは、エビデンスベースで腸内環境を適切にコントロールする事を「腸内デザイン」と呼んでおり、これは商標も持っています。腸内デザインで病気ゼロを実現することが、私たちのビジョンであり最初のゴールです。

 

ー今後の事業展開について教えてください。

ビジネス領域の事を「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」などと言いますが、私たちは自分たちのビジネス領域を「ブラウンオーシャン」と呼んでいます。腸は、健康維持や病気との関連だけでなく、脳機能や性格にまで関連していることがわかっていることから、医療・ヘルスケアだけでなく、例えばエンターテイメントなど、様々なサービスに繋がる可能性を秘めています。

私たちはこれからも腸内環境に関わるビジネスのトップランナーを目指していきます。

最近は腸内細菌や腸内環境といった単語が様々なメディアで取り上げられるようになってきましたが、最新の研究でも実はまだまだよくわかっていないことも多い分野なので、われわれも鋭意研究を進めています。『〇〇が腸に良い』と話題になる事も多々あると思いますが、一人一人お腹に住んでいる腸内細菌は異なるので、決して万人に共通して効くというわけではありません。

腸内環境においては、個人差をまず理解し「自分に合うもの」を見つける事が最も重要です。ではその人にとって何がいいのか?に対する答えを、私たちは伝えていかなければいけないと考えています。そのためには、まず腸内環境を検査をし、必要な栄養素を明確に提示し、実感をもってもらって健康になっていただく事が必要だと感じているので、今後も人々が病気にならないように予防や健康維持の仕組みづくりをメタジェンで行っていきたいですね。

 

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株式会社メタジェン 代表取締役社長CEO 福田 真嗣氏が企画・執筆を手がけています。

 

#1はこちらから

ブラウンオーシャンのトップランナーへ。「病気ゼロ社会」の実現を目指す大学発スタートアップを支える知財戦略とは #1

 



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