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【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.6 株式会社チトセロボティクス メンタリングチームとの座談会』

イベント

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

 

本記事では、株式会社チトセロボティクスのIPASメンタリングチームとの座談会の様子をお届けします。

 

Vol.5 株式会社チトセロボティクスの成果発表ピッチはこちら↓

【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.5 株式会社チトセロボティクス 成果発表ピッチ』

 

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Vol.1 開会の挨拶とIPAS2020の概要についてはこちら↓

 

Vol.2  支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(1)はこちら↓

 

Vol.3 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(2)はこちら↓

 

Vol.4 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(3)はこちら↓

 

Vol.6  IPASメンタリングチームとの座談会

 

【モデレーター】

関口 嗣畝子 氏(特許庁総務部企画調査課 工業所有権調査員)

【知財メンター】

竹本 如洋 氏(瑛彩知的財産事務所 所長 弁理士・米国弁護士)

【ビジネスメンター】

松本 雄大 氏(株式会社Tech CFO office 代表取締役社長)

【メンター補佐】

柴山 吉報 氏(阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士)※当日欠席

 

各メンターと西田社長の経歴

関口氏
モデレーターを務めさせていただきます、特許庁スタートアップ支援部門の関口です。まずは、各メンターの皆様のプロフィールのご紹介をお願いいたします。

 

西田氏
株式会社チトセロボティクス代表の西田です。私はもともと立命館大学ロボティクス学科出身で、学部中に「ALGoZa」を開発しました。そこから新卒でリクルートに入社し、その後に立命館大学の博士課程を卒業後、起業しました。

 

竹本氏
日立製作所の知財部に12年ほど在籍し、出願やライセンス交渉など一通り経験した後に、ボストンコンサルティングという外資系コンサル会社で事業戦略を見ておりました。その後独立し、現在は主にベンチャースタートアップのサポートをさせていただいております。

 

松本氏
私はデロイトトーマツで、技術ベンチャーの支援チームを立ち上げた事があります。その経験から、現在は技術ベンチャーさんのCFOを採用する前のフェーズで、ビジネス面や採用面のコンサルを行なっております。

 

関口氏
サポートメンバーである柴山先生のご経歴を代読させていただきます。阿部・井窪・片山法律事務所にて知財戦略の策定などに従事され、AIベンチャーに2年間出向されたご経歴をお持ちです。今回は3名の先生が株式会社チトセロボティクスのメンタリングチームに加わりサポートをしてくれました。実際にメンタリングはどのように進んだのでしょうか?

 

初めは、課題を探る壁打ちをした

 

竹本氏
全部で10回の面談があり、2週間に1回のペースで面談させていただきました。一番初めに西田社長から、事業戦略から自分の強みと弱み、技術的な良さがまとめられている資料をいただきました。あまりにも資料がしっかりしていたためどこを掘り下げるべきなのか、事前に松本先生と相談しました。

元々リクルートのご出身で、資料もプレゼンも凄く上手いですし、資金調達はまだしていなかったものの、助成金や出資で資金をしっかり集めていて、事業自体はしっかり行われていました。そのため最初の1~3回までは、どこに課題感を持ちどのように事業を進めていきたいのか、課題のヒアリングに力を入れていました。あまりフレームワークに当てはめず、私たちメンターが壁側になり、ひたすら壁打ちをするところから始めました。

 

松本氏
私は昨年に引き続きIPASプログラムでメンターを務めさせていただいたのですが、昨年はフレームワークに乗っ取った形で進めていました。ですが、今年はチームの皆さんの顔つきを見た時になかなか一筋縄では行かないと感じ、型にはめずに西田社長の表現するものをひたすら受け止めて議論しました。竹本先生は「壁」と仰いましたが、時には壁になり、また時にはバックグラウンドの違うメンバーで好きなことを話しました。

そうする中で、会社の本当の意味での強みや、西田社長の伝えたい世界観が顧客や投資家目線で見た時に伝えきれていないのでは?という最初の課題を感じました。そこから、本当に西田社長が自信を持ち強みを伝えられるものは何か?というディスカッションを重ね「プロダクトの強みを推し進める」という方針から、西田社長を中心に置き「コンセプトや世界観を推すにはどうすればいいか?」から丁寧に始め、全体設計から知財面を考えていきました。

 

コーポレートアイデンティティがガラリと変わった

 

関口氏
西田社長、メンタリングを受けていかがでしたでしょうか?

 

西田氏
今はタネ明かしを聞いている気分です。実際のメンタリングの現場では、それぞれが言いたいことをぶつけて、私も自分の意見をどんどん投げて、その都度メンターの方に刺してもらうような、決して静かな会議でなく、合戦のようなイメージでした(笑)。

 

関口氏
IPASの成果を西田社長にお伺いしたいのですが、先ほどのピッチで成果を4点挙げられていました。その中で最も印象的であった成果と、それを受けて今後どのように事業展開するご予定でしょうか?

 

西田氏
印象的な変化を2つお伝えしたいです。1つはコーポレートアイデンティティがガラリと変わりました。「スタートアップなのだから、もっと勢いを出した方が良いのでは?」とメンターの方に助言をいただき「ロボットの勢いって何だろう?」というところから始まりました。僕は6歳からロボットを作っていてロボットはみんなにとっても当たり前なのだと勘違いしていました。メンターの方から「ロボットは当たり前ではないから、ロボットがどうなれば、チトセロボティクスはうまくいっていると言われるの?」という質問を何回も何回も聞いていただきました。以前までは「ロボットがあれば生産性が上がり、お金も儲かって幸せだ」と考えていたのです。

しかし、「お金が儲かれば幸せなのか?」と考えた時、「人がロボットに成り代わる事が幸せなのか?それだけではない何かがあるはずでは?」と思い、結果として「未来の働き方にロボットが絶対に必要だ」という答えが出たのです。ミッションである「未来の働くをデザインする」という言葉は、IPASメンタリングの中で生まれた言葉です。また、商品形態も全て変わりました。「ロボットが来る、ロボットがクルーになる」という「CREWBO」も、議論の中で生まれたサービスです。

 

プログラム中にビジネスの世界観が広がっていった

 

松本氏
IPASプログラムにおいてメンター側から「IPOやM&Aを目指さないか?」と進めたことは一度もありませんが、企業の考える世界観や解決したい課題を煮詰めるお手伝いをしています。今回、西田社長はメンタリングの過程で「この事業はもっとスケールするのでは?」とご自身で気づかれました。そこからイグジットの方針が明確になり、そのためには投資家ともっとコミュニケーションを取らなければと、ビジネスの世界観が広がっていった事が印象的でした。

 

竹本氏
IPASプログラムはとても良い仕組みで、スタートアップ側はアドバイスをくれるメンターを求めていて、メンター側も毎回新しい企業と接して、どうすればもっと事業を成長させていけるのかを、自分自身も考えながら一緒に進むことができます。私のお客様にロボットベンチャーはおらず、そもそも西田社長の考える「ロボット」とは何なのか、人をロボットに置き換えることは果たして人を幸せにするのか、ロボットを導入する企業のロボットへのインセンティブは何なのか、をずっと議論させていただきました。

 

西田氏
私の中でロボットというのは「道具」です。ロボットは友達ではないし、パートナーでもない。物理的な力を行使できる道具なのです。そこを割り切って、じゃあその道具を人のためにどう使うかを考えたいと思っていました。これをずっと面談でも話していて…

 

竹本氏
ロボットは「道具」ですと言い切られてしまうと、少し夢が無いですよね。今後、ブランディングや資金調達を目指していくとすると「道具」と言い切ってしまうと面白くない。そこをコーポレートアイデンティとしてもっと魅力的にしていこうと議論しました。

 

西田氏
その議論から、ロボットを使うことで、人間がよりクリエイティブで生産性の高い業務にシフトしていく、それが未来の働き方なのではないかな、という考えが生まれました。

 

それぞれが決して受け身でないメンタリング

 

関口氏
ここでメンター補佐として参加された柴山先生から事前インタビューで、今回のメンタリングで勉強になった点をお伺いしております。私が代読させていただきます。

「正統派のメンタリングだと思います。どこが強みかぼやっとしている中で、メンタリングを進めていくうちに強みが明確化していく過程が見られた。正確には初めは「ALGoZa」を推していて強みがもやっとした事業戦略だったが、メンタリングを通じて開発のロードマップに落とし込んで特許の攻め所を見極め、新たなサービスを打ち出す過程がとても綺麗だった。」と、伺っています。

私自身もメンタリング風景を拝見させていただき、このチームはとても仲が良くコミュニケーションも密に取られていたのが印象的でした。

 

松本氏
そうですね。キックオフから最後の面談まで、メンター間で連携することでいかに西田社長を盛り立てていくかがポイントだと思い、自発的にコミュニケーションを取っていたと思います。

 

竹本氏
企業側の方が受け身だと、毎回の宿題が進まず、議論も次に進まないということが多いです今回のチームは、メンターだけが走るわけでなく、西田社長も決して受け身にならず、我々のアドバイスを受け止め、しっかり次までに我々が望んでいる以上のものを持ってきてくれたので、建設的に議論を進めるということができました。その結果、チトセロボティクスは今までは資金調達をしない方向でしたが、最終的には資金調達をして、もっとドライブしていこうということで事業戦略が変わりました。松本先生もVCの知り合いがたくさんいるので繋げてもらうなど、凄いスピード感で進んでいきました。今は何社くらい会っているのですか?

 

西田氏
お会いしたVCは16社です。お客様を開拓するべきだという助言もいただき、新規のお客様とはプロジェクトが始まってからは30社くらいお会いしました。毎回IPASのメンタリングが終わるたびに、そこから後の2時間抑えていて、取締役にIPAS議論内容を共有し、その日にもらった宿題はその日に考え詰めるということをしていました。

 

IPASプログラムを通し、大きな変化があった

 

松本氏
メンタリングでは社長との面談をするのですが、西田社長が社内メンバーにも議論内容を周知していて、戦略が会社のアクションプランに落とし込めているところにすごく頼もしさを感じました。西田さん、社内メンバーから今回のIPASについてのどのような反応があったかご共有いただいてもいいですか?

 

西田氏
今回のIPASは技術を担当している取締役に紹介されました。参加の目的としては、色々なところで知財戦略を考えていたけど、頼るのであれば特許庁に頼ればいいのでは?と思ったのです。しかし言い方は悪いですが、お役所が開催されているアクセラレーションは座学のような上辺だけで終わってしまう可能性もあるのでは?と危惧していました。ですが、蓋を開けてみれば物凄く実効性のある議論が行われていました。このプログラム期間で大きな変化が4つもあって、IPASがなかったら私たちはダメだった、成長というだけでは足らず、生まれ変わる事ができたと社内でも話しました。そのぶん宿題もたくさんもらいましたが…(笑)

 

関口氏
それでは最後に、IPAS後の意気込みを、西田社長お願いします。

 

西田氏
10回のメンタリングで、知財や事業戦略などたくさん議論しましたが、一貫しているのは「ロボットビジネスはどう作るべきなのか?」を問答してきたことです。ニッチな領域に一点集中してそこからジワジワ広げていく、それが王道なのではと考えていた時期もありました。しかし、IPASプログラムでその考え方がガラリと変わりました。これからのチトセロボティクスは、技術は事業の二歩先を行き、事業は着実にお客様の価値に狙いを定めていきます。事業と技術のコミュニケーションは一時的には別れますが、別れてもいいのだと教えていただきました。事業を一点突破しつつ、その先で技術に出会える様に進めていきます。

 

Vol.5 株式会社チトセロボティクスの成果発表ピッチはこちら↓

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