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【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.7 株式会社Jij 成果発表ピッチ』

イベント

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特許庁主導の、スタートアップの成長を事業と知財の両面で加速させる知財アクセラレーションプログラム「IPAS2020」の成果発表会「Demo Day」が3月にオンライン開催され、2020年度支援先企業がIPAS2020を通して得られた成果を発表しました。

 

IPAS2020では、応募総数113社の中からビジネスの将来性や知財支援の必要性等の観点で選ばれた15社に対し、特許庁より選出された知財専門家らが約5ヶ月間のメンタリングを行いました。

 

本記事では、株式会社Jijの成果発表ピッチの様子をお届けします。

 

Vol.8 株式会社Jij メンタリングチームとの座談会はこちら↓

【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.8 株式会社Jij メンタリングチームとの座談会』

 

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Vol.2 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(1)はこちら↓

 

Vol.3 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(2)はこちら↓

 

Vol.4 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(3)はこちら↓

 

Vol.5 株式会社チトセロボティクス 成果発表ピッチはこちら↓

 

Vol.6 メンタリングチームとの座談会はこちら↓

 

Vol.7 株式会社Jijの成果発表ピッチ

株式会社Jij 代表取締役  山城 悠 氏

本日はIPASでの成果をご報告させていただきます。まず、我々は文科省のJST-START(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による大学発ベンチャー支援プログラム)から始まった会社です。量子アニーリング技術を中心とした最適化ミドルウェアの開発や、企業様向けに最適化ソリューションの提供をしています。我々は「計算困難な課題を解決する」をミッションに、通常のコンピューターでは難しく計算時間の間に合わない課題に対して最先端の最適化ソリューションを提供しています。具体的には「Jij Cloud」と呼ばれる最適化計算向けの計算基盤のクラウドサービスの開発と、我々のお客様はインフラ系の企業様が多いのですが、彼らが抱えているビジネス課題を解決する共同研究開発を行なっています。

 

課題を実際に解決しながら過ごした

 

今回のIPASは、弊社の「Jij Cloud」に関する知財を強化することを目的に参加しました。具体的に「Jij Cloud」とはどのようなサービスなのか説明をすると、まずは企業様との共同開発を通して、社会ニーズから必要な研究開発を行います。それを「Jij Cloud」というクラウド基盤に実装し、実際にユーザーに使用してもらいながらフィードバックをいただき開発を進めるというサイクルで日々、研究開発を行なっています。

具体的な「Jij Cloud」の使い方としては、ユーザーが求めるアプリケーション、例えばシフト策定アプリやMaaSアプリなど…それらを数式に落とし込み、我々の「Jij Cloud」を通すことでクラウド内部でミドルウェアが問題を分析し、その問題をCPUやGPU、量子計算技術と呼ばれる新しいPCで変換することでより良い答えを出すことが可能になります。

「Jij Cloud」はいくつかの技術要素に分かれているため、内容を把握しながらどの技術を知財としてビジネスに活かしていくのかがうまく整理できていませんでした。今回のIPASでは「Jij Cloud」の知財の強みを洗い出すことができ、実際に来年のリリースに向けてクリアしなければいけない課題を解決しながら、このプロジェクト期間を過ごすことができました。

 

想像以上に直接的な効果が多くあった

 

今回のIPASで驚いたのが、メンターの方が我々の技術内容に関して非常によく理解されていたということで、その上で強化するべき知財のポイントの洗い出しを行っていただきました。

まず、自社の技術の強みを把握した上で競合調査を行い、我々の中で補強するべき部分を洗い出し、新たな技術の発明の発掘を行いました。それによりJijの技術が競合と比較してどのように強いのかをより客観的に把握でき、そのうえで我々が強化すべきポイントを洗い出すことができました。現在はIPASでの実施内容を元に優先権主張での出願の準備をしています。

「Jij Cloud」は来年リリース予定なのですが、今回のIPASでビジネススキームの構築、利用規約、ソフトウェア・ライセンス契約の中身まで詰めていくことができました。IPASの効果は想像以上に直接的な成果が多くありました。また副次的な効果としては、知財を軸としたビジネスの構築と研究開発への意識も高まり、IPASから得た知識を社内に浸透させることで、会社全体で知財への意識が高まりました。

 

Vol.8 株式会社Jij メンタリングチームとの座談会に続く↓

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