まず、商標から始めよ#2

インタビュー

株式会社tsumugの牧田CEOインタビュー後編です。

前編では、鍵をテーマとして起業に至った驚きの背景と知財を意識したきっかけを語っていただきました。

投資家には特許というキーワードが刺さる


―知財戦略のポイントは何だと思いますか?

 tsumugの投資家向け資料には、特許を出しているものについては「特許出願中」と記載しています。投資家にプロダクトの説明をして、かつ、特許も申請済み(権利まで成立しています)というように話すとすごく評価されます。競争優位性を客観的にアピールできるという点で知財は活用すべきだと思っています。投資家には特許というキーワードが刺さるというのを実感しました。以前のイベントでもお話ししたのですが(※注)、私たちは、IoTデバイスそのものというよりも、それを利用したサービスに価値があると考えています。それを実現できるパートナー企業と組んで、価値のあるサービスをユーザーに提供したいと考えています。tsumugの特許群を起点に市場を創り、パートナーと一緒に盛り上げていく、というところまで考えた活動をしていきたいです。

(注)・・・tsumugは、2019年1月に行われたCIPO Nightの第1回イベントにおいて、投資家の小笠原治氏と共に登壇をしている。当時のイベントの様子はtsumug edgeでも公開されている。
https://edge.tsumug.com/entry/report-ciponight

 

スタートアップの最初のステップとしてオススメはありますか?

 まずは商標から始めてみることですね。経営者が知財と向き合うきっかけとして、特許よりも分かりやすいし、安く始められます。また、私もそうでしたが、ほとんどのスタートアップCEOは、知財に対する意識が薄いです。弁理士に任せておけばいいというスタンスでいることが多いと思います。でもそれはしょうがない。なぜなら、スタートアップは予算も人数も少ないし、初めて経営者になる人も多いからです。いきなりCEOが会社の経営もしながら知財戦略を練るのはかなりハードです。だからこそ、CEO目線で一緒に知財戦略を考えてくれる専門家やサポーターはいてもらえると助かるなと思います。知財自体をバリューにしていくような、ガツガツした知財のパートナーが理想ですね。

 

では、最後に、実際に知財に力を入れているスタートアップCEOとして皆様へアドバイスをお願いします 

 できるだけ早く、知財を意識してほしいと思います。社名や製品、サービス名など、自分たちの名刺に使う商標から始めてはどうでしょうか。商標を取得しておけばよかったと後悔するケースも、身近に存在していますよ。また、知財戦略は、製品やサービスのリリース前に考えておいた方が良いと思います。リリースした時点で、もう知財として成り立たなくなることもあるし、リリース後には情報発信も統制しにくく、曖昧になりやすいです。早いうちから、自分のアイデアが知財として成り立つのかは確かめておいたほうが良いかなと思います。

 ★YES! IP編集チームが感じた、この会社のここが素敵!★

『社員それぞれが自由に得意分野を活かせる場所』

「tsumugは正社員0人なんですよ。」
インタビュー後に、牧田CEOと少しお話しをしていたときに出てきたこの一言。どういうことか尋ねると、「みんな何かしらのプロフェッショナルで、tsumugというプロジェクトにみんながジョインしている感じです。今は業務委託の人にもストックオプションが出せたりとか制度も変わってきています。魅力的なプロジェクトに業務委託で複数ジョインできる環境は、エンジニアをはじめとしたスキルを持った方にとってもtsumugにとっても、お互い楽しくていいんじゃないかなと思ったんです。知財や機密情報などが担保できれば、問題もありません。『特定の1社に所属』じゃなくて『専門性を持って複数所属』と『所属』概念も変わってくると面白いなと思います。広く長く付き合えるお互いにハッピーな関係です。」とのこと。
スタッフ一人ひとりが、楽しみながら自分の専門知識を活かして自由に働ける環境。まさに理想の職場だと感じました。
オフィス内も、皆がいつでもリラックスできるようにハンモックスペースを用意。デスクはそれぞれに合った使い方ができるように高さ調節が可能であったり、細部に渡って牧田CEOのスタッフに対する心遣いを感じられるオフィスでした。

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