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ブランド力の向上に『知財』が必要な理由#2

MNC New York株式会社 取締役 高橋 くみさん
インタビュー

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

―#1はこちらから

ブランド力の向上に『知財』が必要な理由#1

『大手に提案する際に、初めて知財を意識する人が多い』

―今後、海外に展開することはお考えですか?

「はい。今後は自社ブランドの事業推進に力を入れていきたいと思っています。『SIMPLISSE(シンプリス)』という化粧品と健康食品のブランドは越境ビジネスで中国に出しているのですが、とても好調です。メイドインジャパンはやはり信頼感があるので、今後も力を入れていきたいですね。」

―先日、中国は今や知財大国だと、中国で活動されている弁護士の先生から伺いました。中国で事業を展開するにあたり、知財に関してはどのようにお考えですか?

「新しいブランドを海外で展開するにあたっては、まだ十分に知財に対してお金をかけられていないと思っています。『費用が高いからやめておこう」と出願を躊躇してしまったら、のちのち痛い目を見ることがあるかもしれない。先のリスクも考えたうえで、知財にもお金をかけていこうと考えています。』

―MNC New Yorkと同じアパレル業界で、知財活動に力を入れている企業は多いのでしょうか?

「自分たちも当初はそうでしたが、知財に関してあまり優先順位が高くない印象を受けます。規模の大きい取引先と交渉する際に、「商標は取られていますか?」と質問され、初めてそこで「なんですかそれ?」となるパターンは多いと思います。なので、私たちが知財活動に取り組んでいるということを知った同業の方から、弁理士を紹介してほしいという連絡をたくさんいただきました。」

『ビジネスを展開していくうえでの安心材料になった』

―ビジネスをするうえで、知財を活用した事業展開が副次的な効果をもたらしたことはありますか?

「『SIMPLISSE(シンプリス)』のキャッチコピーは『ホリディカル美容」というものです。ホリスティック(全体性)と、メディカル(医学)という言葉を組み合わせた造語です。というのも、化粧品は二極化しています。オーガニックで地球に優しいと謳うものと、化学系で良い成分をどんどん入れているもの。その2つの良いところを取り入れようという意味で『ホリディカル美容」と謳うようになりました。

『ホリディカル』は造語なので、すでに商標を取っています。代表が出している書籍やメディア取材でも『ホリディカル」という言葉を頻繁に出してブランディングをしています。自分たちが考えた言葉を、安心してブランディングに使うことができる。その安心感は知財の取り組みをしているからこそだと思います。

出願の際に、弁理士の先生と相談したのですが、「仮に商標が取れたとしても、『ホリディカル』という言葉が一般化するほど有名になってしまったら、商標でも守られない。」というお話はされました。でも、有名になるまでは私たちのオリジナルの言葉として事業を推進していくうえで力になってくれると思いました。それに、変なところで使われてしまってブランドに傷がつくのも怖いですよね。それで、お金をかけて出願しようと思いました。最終的にその言葉が一般化したとしても、商標登録したことに意味が無かったとは思いません。今でもしっかり商標登録しておいて良かったと思っています。」

―確かに「ホリディカル」という言葉が意図せぬ意味合いで使用されて、その言葉の価値が落ちたら困りますし、権利を持っているからこそ、有名になるまでは、その言葉を使っていい人をこちら側が選べるという利点もありますよね。

「そうなのです。安心感を持ちながら事業展開していけるのはとても大きいですね。ビジネスを大きくする際には安心感として、また、大きく成長した後には模倣を防ぐために、特許や商標は大事になってくると思っています。」

『業界のリーダーになるためには、特許は本当に必要なこと』

(左) MNC New York 株式会社 代表取締役  山本 未奈子 さん(右) MNC New York 株式会社 取締役  高橋 くみさん

―最後に、今後の展望についてお伺いしたいです。

「今持っているブランドに関しては、更に大きくしていこうと考えています。また、これから始める新製品に関しては世界中でニーズがあり、事業としても大きなポテンシャルがあると考えています。この新商品こそ、特許を取得することが凄く大切だと思っていて、既に特許出願をし始めています。」

―新商品のローンチが待ち遠しいです。

「ありがとうございます。この新商品は、ユーザーのペインは間違いないのですが、今後の日本においては人口減少もあり、市場は縮小していくでしょう。だからこそ、そこに新たに乗り込むのであれば、日本市場のリーダーになりたい。また、今後人口が増えていく海外市場では技術の優位性をもとにシェアを拡大していきたい。そのためにはしっかりと特許や商標を固めなければならないし、先行する企業に負けないブランドにしていきたいと思います。」

●MNC New York株式会社●

・会社ホームページ
https://www.mncny.co.jp/

・SIMPLISSE公式サイト
https://www.simplisse.jp/

・France Luxe公式サイト
https://www.franceluxe.jp/

ブランド力の向上に『知財』が必要な理由#1



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