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【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート〜Vol.4 第2回『IP BASE AWARD』授賞式(知財専門家部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー)

イベント

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

 

2021年3月19日に、ASCII STARTUP主催の『JAPAN  INNOVATION DAY 2021』が開催されました。

同日15:00~のセッション『IPナレッジカンファレンス for Startup 2021』では、特許庁が運営するスタートアップ向け知財専門サイト『IP BASE』による『IP BASE AWARD』の表彰式が行われました。

イベント後半には「スタートアップに必要な知財戦略」「スタートアップエコシステムと知財」をテーマに、IP BASE AWARD選考委員と受賞者によるセッションが行われました。

Vol.4では「知財専門家部門」にて奨励賞を受賞した皆様の受賞スピーチとインタビューをレポートしていきます。

 

―第2回『IP BASE AWARD』受賞者の紹介

 

『IP BASE AWARD』は、スタートアップ部門、知財専門家部門、エコシステム部門の各部門で、知財全般に関する取組において、先進性・注目度などの観点からめざましい取組をした個人・組織を表彰します。各部門受賞者は、自薦他薦問わず選ばれたアワード候補から、選考委員会により選出されます。

 

『知財専門家部門』

 

スタートアップ支援に意欲的に取り組んでいて、その支援によりスタートアップの知財戦略構築に貢献している知財専門家へ贈られました。

 

【「知財専門家部門」グランプリ受賞者スピーチはコチラ】

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート Vol.2~第2回『IP BASE AWARD』授賞式~(知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー)

 

知財専門家部門表彰(2者)

【奨励賞】佐藤 彰洋 氏 あなたの知財部

【奨励賞】竹本 如洋 氏 瑛彩知的財産事務所

 

知財専門家部門 奨励賞(2者)受賞者によるスピーチ

 

(1)佐藤 彰洋氏   あなたの知財部


この度は名誉ある賞をいただき大変光栄に思っております。近年、スタートアップは大企業が競合関係になる事例が多くあります。それに伴い、事業を守る知的財産の重要性が高まっています。スタートアップは知的財産の「量」では残念ながら資金のある大企業には勝てません。そのため「質」が非常に重要になってきます。この質を磨くことがスタートアップには必要です。

例えば1時間ほど弁理士に事業内容を話したら難解な出願書類が納品された。「チェックしてください」と言われてもどのようにチェックすれば良いかわからない。このような知財プロセスでは質を高められるはずがありません。スタートアップにこそ『知財の質』を高めてくれる知的財産部が必要です。知財の専門家を雇うことが難しい企業は私のような知財部機能を担う専門家にご相談いただき、『知財の質』を高めていただきたい。あなたの知財部は今後もスタートアップの仲間として、スタートアップの知財部機能を担っていく所存です。この度は誠にありがとうございました。

 

(2)竹本 如洋氏 瑛彩知的財産事務所


この度はこのような名誉ある賞をいただき誠にありがとうございます。瑛彩知的財産事務所の竹本と申します。

私が弁理士を目指したのは小泉政権が知財立国を掲げていた2003年のことです。2005年に弁理士の資格をとりはや15年が経ちました。この15年の間にかなり知財は一般的に広まったなと私自身は感じております。特許庁による、例えば最新のIP BASEの取り組みや、スタートアップへの心強いお力添えのおかげで広がってきているところもあると思います。

今回受賞のポイントとして取り上げていただいた「すまるか」は、日本に360万社ある中小企業や、毎年2万社以上生まれてくる新しい企業や個人事業主に、簡単にスマートフォンで安価に商標を調査、出願していただきたいという思いで創り上げたシステムです。このようなシステムを使っていただき、今後ますます知財が広がっていけばいいなと思います。私は、知財自身が世界を変えられるとは思いませんが、世界を変えるような技術やサービスは適切に知財で守られるべきですし、知財の力を使って事業をレバレッジしていくべきだと考えます。このような知財を世に出し、守っていくのが我々、知財の専門家の仕事だと考えています。今後、知財により世界がより良いものになり便利でみんなが幸せになる世界になればいいなと思っています。今後も頑張って知財をサポートして参ります。

 

知財専門家部門 奨励賞(2者)受賞インタビュー

 

(1)佐藤 彰洋氏   あなたの知財部 受賞インタビュー


ースタートアップが知財戦略を始めるときに意識するべきポイントはありますか?

スタートアップが一歩目として取り組む知財はケースバイケースと考えます。 例えば、ビジネスモデルに特徴があるのであれば、特許出願を一歩目として検討する必要があります。 ビジネスモデルそのものを特許として抑えることで、競合優位に立てるためです。 

一方で、既存のビジネスモデルを用いる場合で、サービス名称にインパクトを持たせて差別化する場合は、 一歩目として、商標権の取得を検討する必要があります。このような場合は、先願の商標権が多数あることから、専門家と一緒に名称を選定することが望ましいと考えます。(先に名称を決めて最後に商標対応では遅い) 

 

ースタートアップはどのような専門家を選べば良いでしょうか?

しっかりとコミュニケーションの取れる専門家を選ぶとよいと考えます。 例えば、相談を受ける弁理士と実務を行う弁理士(特許技術者)が異なるような場合は、 ミスコミュニケーションが発生しやすいため注意すべきと考えます。 知財は小難しいことも多いため、コミュニケーションというのは非常に重要となってくると考えます。また、単発的ではなく継続的に事業×知財について相談できる専門家を選ぶことをおすすめいたします。

 

(2)竹本 如洋氏 瑛彩知的財産事務所 受賞インタビュー


ースタートアップが知財戦略を始めるときに意識するべきポイントはありますか?

知財には特許・意匠・商標・著作権など色々ありますが、スタートアップの一歩目として、まずは商標を出願されるのが良いでしょう。自社の社名や商品名、サービス名等のブランドを誰かに模倣され、若しくは先に商標登録されて使用ができなくならないように、重要なブランド名はまず商標登録出願しておくことをおすすめします。すまるかでは、スマホから簡単に無料先行商標調査やLINEで相談を行え、その後出願も可能ですので、是非スタートアップの皆さんはご活用してみてください。中国語、英語、ドイツ語での相談も可能です。

Tech系のスタートアップは、新しい製品やサービスを導入する前には必ず知財専門家に相談し、特許出願の要否を検討する、というスキームを確立すると良いでしょう。特許出願は技術の先進性をアピールするとともに、一定のマーケティング効果もあり、資金調達でも考慮され有利になります。「リリース前には特許出願」ということを社内で徹底することが重要です。

 

ースタートアップはどのような専門家を選べば良いでしょうか?

スタートアップにはフットワークの軽い弁理士をおすすめします。LINE、Chatwork、Slackなどで気軽に相談できる弁理士を見つけると良いでしょう。また弁理士毎に専門となる技術分野が異なりますので、WEBサービス、アプリ系のスタートアップであれば情報系に強い弁理士だと良いですね。弁理士は8割が理系出身者ですが、大学の学科や研究分野を聞いてみて情報系であるかどうかを確認したり、プログラミングを自分でしていたか、等の観点で掘り下げてみると良いかもしれません。特許事務所もいくつかを使い分けてみて、自分たちの会社のスピード感や方針に合っている事務所を選択すると良いでしょう

 

【第2回IPBASE AWARD 関連記事】

(1)開会式~スタートアップ部門グランプリによるスピーチ&インタビュー

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(2)知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート Vol.2~第2回『IP BASE AWARD』授賞式~(知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー)

 

(3)スタートアップ部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート〜Vol.3 第2回『IP BASE AWARD』授賞式(スタートアップ部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー)

 

(5)エコシステム部門受賞スピーチ&インタビュー〜総評

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート〜Vol.5 第2回『IP BASE AWARD』授賞式(エコシステム部門受賞スピーチ&インタビュー〜総評)

 

【第1回 IPBASE AWARD イベントレポートはこちら】

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2020』レポート~Vol.1 第一回『IP BASE AWARD』授賞式 | YES!IP 知財を活かすスタートアップメディア (yesip.jp)

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2020』レポート~Vol.2 ディスカッション~スタートアップに必要な知財戦略とエコシステムの発展について#1 | YES!IP 知財を活かすスタートアップメディア (yesip.jp)

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2020』レポート~Vol.2 ディスカッション~スタートアップに必要な知財戦略とエコシステムの発展について#2 | YES!IP 知財を活かすスタートアップメディア (yesip.jp)

 



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