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【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート Vol.1~第2回『IP BASE AWARD』授賞式~(開会式~スタートアップ部門グランプリによるスピーチ&インタビュー)

イベント

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

2021年3月19日に、ASCII STARTUP主催の『JAPAN  INNOVATION DAY 2021』が開催されました。

同日15:00~のセッション『IPナレッジカンファレンス for Startup 2021』では、特許庁が運営するスタートアップ向け知財専門サイト『IP BASE』による第2回『IP BASE AWARD』の表彰式が行われました。

イベント後半には「スタートアップに必要な知財戦略」「スタートアップエコシステムと知財」をテーマに、IP BASE AWARD選考委員と受賞者によるセッションが行われました。

Vol.1では、開会式からスタートアップ部門の表彰式までの様子をお届けいたします。

【Vol.2(知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー)はこちら】

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート Vol.2~第2回『IP BASE AWARD』授賞式~(知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー)

開会の挨拶


特許庁 総務部 企画調査課長 小松 竜一 氏

特許庁がスタートアップ支援の一環として『IP BASEを開設したのは2018年12月のことになります。その施策の一つとして昨年、『IP BASE AWARD』を創設しました。スタートアップエコシステムにおいてはスタートアップだけでなく、知財専門家、アクセラレーター、ベンチャーキャピタルなど数多くのプレイヤーが存在します。『IP BASE AWARD』を通じ、そうした方々の活動に注目が集まりコミュニティが盛り上がることを我々は期待しています。

振り返ると早いもので第1回目の『IP BASE AWARD』から1年が経ちました。第1回目の挨拶で私は「このAWARDを育てていきたい。5年後、10年後には『IP BASE AWARD』の受賞者の中から経済産業大臣が表彰する知財功労賞を受賞する企業、または人材が出てほしい。」という話をしました。非常に嬉しい事に、第2回目の今回は各賞とも、前回よりたくさんの応募がありました。『IP BASE AWARD』の知名度の向上が図られたと受け止めるとともに、スタートアップエコシステムが拡大しつつあることの現れだと理解しています。我々も引き続きスタートアップ支援策を続けていきます。今後もより一層IP BASEに注目いただき、期待を寄せていただきたいと考えています。

IP BASE 概要説明


特許庁 総務部 企画調査課 課長補佐 (ベンチャー支援班長) 鎌田 哲生 氏

スタートアップの方々にお話を伺う中で、知財戦略の重要性に気づいていない、スタートアップに特化した専門家に出会えず誰に相談すれば良いか解らないといった課題が見えてきました。このような課題を解決すべく、私たちはスタートアップに特化した知財メディアIP BASEを立ち上げました。スタートアップと知財専門家が繋がるサイト、スタートアップが知財を考えるために、まず最初に見るサイトとして、事業戦略に沿った知財戦略をする事で将来の事業の価値が変わる事に気づいていただきたいという思いで運営しています。

そもそも知財とは?という疑問に応える基礎知識を紹介したページや、知財で戦う事前準備として利用していただきたい事例集を紹介しています。また、『一歩先行く国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集』として国内外における先進的な知財事例を紹介するページや、『ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き』としてベンチャー投資家向けに知的財産の評価・支援の落とし穴とその対策をまとめて知的財産を強化する資料の手引きも載せています。

その他、我々は『IPAS』というアクセラレーションプログラムを展開しており、このプログラムを通じてスタートアップがつまづく14の課題が見えてきました。『知財戦略支援から見えたスタートアップがつまづく14の課題とその対応策』として知財とビジネス両方の視点から見た、これらの課題の解決策をまとめて公表しています。IP BASEには特許庁のスタートアップ向け支援策の紹介や、スタートアップと知財専門家をつなぐためのオンラインQ&A機能などもあります。スタートアップと知財専門家をつなぐための様々な勉強会も開催しており、これらは会員登録が必要ですのでぜひとも登録をお願いします。SNSでも積極的に発信をしていますので、こちらもぜひともフォローをお願いします。

IP BASE AWARD概要説明


鎌田 氏

スタートアップエコシステムのなかで知財の重要性は認知されつつありますが、知財の活用方法はまだ浸透度が低く、ロールモデルを表彰しご紹介させていただきたく『IP BASE AWARD』を立ち上げました。

『IP BASE AWARD』は戦略的な知財戦略を行うスタートアップ、スタートアップ支援に取り組む知財専門家、スタートアップエコシステムにおける知財意識の向上に貢献している個人・団体の三部門からになります。ぜひ各受賞者の取り組みに注目してください。

第二回『IP BASE AWARD』受賞者の紹介


『IP BASE AWARD』は、スタートアップ部門、知財専門家部門、エコシステム部門の各部門で、知財全般に関する取組において、先進性・注目度などの観点からめざましい取組をした個人・組織を表彰します。各部門受賞者は、自薦他薦問わず選ばれたアワード候補から、選考委員会により選出されます。

『スタートアップ部門』


戦略的な知的財産権の取得や活用などを積極的に実施していて、未上場かつ創業8年以内のスタートアップ企業へ贈られました。

スタートアップ部門表彰(4社)

【グランプリ】ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

【奨励賞】株式会社バカン

【奨励賞】Global Mobility Service株式会社

【奨励賞】Telexistence株式会社

スタートアップ部門グランプリ受賞者によるスピーチ


ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 村上 泰一郎 氏

我々が色々な角度から知財に力を入れ取り組んできたことを評価いただき、嬉しく思うとともに、皆様の参考になることがあればいいなと思います。この度は本当にありがとうございます。

まず会社としてはDigitally Rebalanced.——新しいデジタル技術で新しい均衡点や平衡点を作り出すべく現場のデジタルトランスフォーメーションや、物理世界のデジタル化、視聴触覚体験での新価値機軸の創造、デジタルと物理世界を繋ぐインターフェース領域の技術革新に努めています。大学と連携した共同研究においては、新株予約権を活用し、研究成果の企業への移転を予約する新たな産学連携スキームを組んでいます。事例をご紹介すると、新型コロナウイルス感染症対策ソリューションmagickiri™、PXDT独自の空間データプラットフォームKOTOWARI™、音響メタマテリアル技術を用いた吸音材iwasemi™などを開発しています。

我々は2017年創業ですが、創業時から弁理士の方に入っていただき、かなり多くの特許を世に出しています。我々の知財部門のポリシーとして、事業の価値向上に貢献する知財、契約と権利化は両輪であるという考え方、事業ポートフォリオに合わせた知財ポートフォリオ作成といった、事業とかなり連携した知財戦略を進めています。このあたりは、後ほどのパネルディスカッションで詳しくお話させていただければと思います。

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 受賞インタビュー


ー事業戦略を考える上でいつから知財を意識していましたか?

創業者は、知財について創業前から意識していました。
具体的には、創業者(落合陽一)を発明者とする発明を弁理士に依頼していました。
その流れで、創業初期(社員もオフィスもない時期)から、創業者と弁理士と二人三脚で、出願に留まらず、契約や対外交渉をしていました。

 

ー知財に力を入れたことで得られた副次的効果はありましたか?

副次的効果とは言えないかもしれませんが、シリーズAの投資家(インキュベイトファンドの村田様)から、「知財の強化に対するプッシュ」があったと聞いています。

また、共同代表(落合・村上)の2名は、事業戦略上、知財がポイントになることを創業時点で理解していました。

副次的効果としては、弁理士を初期にコミットさせたことにより、特許だけに限らず、契約面でもリーガルケアをしながら進める形がアーリーステージで構築でき、結果的に、知財重視・契約重視の文化の醸成が容易に実現できた(「特許や契約なんていらない」と考える社員はいない)点が挙げられます。

資金調達面では、知財DDを通して、一定の評価を頂いたと認識しています。また他社との契約交渉においても、知財面が交渉マターになったときに自社に有利に働いたと考えています。当社は、契約と権利化は両輪であると考えているので、自社の知財(例えば、特許ポートフォリオ)によって、相手方との交渉の勘所も変わると思っています。

 

ー知財に対する意識向上のために社内で行っている施策はありますか?

社内レクチャーは権利化系、他社権利対策系、契約系と分けて、それぞれ行なっています。また特許出願実績は毎月、前月に出願完了した発明(発明者)を全社に口頭で紹介し、全社周知を行なっています。

その他、知財セクションが多方面へコミットメントする仕組みづくりをしています。権利化、他社権利対策、契約に関わらず、ビジネスマターのミーティング、社内制度(OSS対策等)についても、積極的に知財担当者を参加させることにより、事業部担当者(エンジニア、事業開発担当者)に対して特許以外の業務も「知財」に関わることを意識づけしています。

 

(2)知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート Vol.2~第2回『IP BASE AWARD』授賞式~(知財専門家部門グランプリによるスピーチ&インタビュー)

 

(3)スタートアップ部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート〜Vol.3 第2回『IP BASE AWARD』授賞式(スタートアップ部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー)

 

(4)知財専門家部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート〜Vol.4 第2回『IP BASE AWARD』授賞式(知財専門家部門 奨励賞 受賞スピーチ&インタビュー)

 

(5)エコシステム部門受賞スピーチ&インタビュー〜総評

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2021』レポート〜Vol.5 第2回『IP BASE AWARD』授賞式(エコシステム部門受賞スピーチ&インタビュー〜総評)

 

【第1回 IPBASE AWARD イベントレポートはこちら】

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2020』レポート~Vol.1 第一回『IP BASE AWARD』授賞式 | YES!IP 知財を活かすスタートアップメディア (yesip.jp)

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2020』レポート~Vol.2 ディスカッション~スタートアップに必要な知財戦略とエコシステムの発展について#1 | YES!IP 知財を活かすスタートアップメディア (yesip.jp)

【知財イベント】『JAPAN INNOVATION DAY 2020』レポート~Vol.2 ディスカッション~スタートアップに必要な知財戦略とエコシステムの発展について#2 | YES!IP 知財を活かすスタートアップメディア (yesip.jp)

 



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