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どうした特許庁!『商標拳~ビジネスを守る奥義』の誕生秘話に迫る#2

インタビュー

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

特許庁『デザイン経営プロジェクトチーム』へのインタビュー後編です。
後編では『商標拳〜ビジネスを守る奥義〜』を制作した、デザイン経営プロジェクトチームの皆さんにフォーカスを当てます。

 ―前編はこちら

どうした特許庁!『商標拳~ビジネスを守る奥義』の誕生秘話に迫る#1

『前例が無いことは、苦労だらけ。』

―プロジェクトを進めていく中で、大変だったことはありますか?

野口さん:私たちは、『商標権はビジネスの基本』と『商標権を取らないことによるリスク』という2つのメッセージを、商標制度に対して無関心な方々に対してSNSを活用して広く発信したいと考えていました。その手法には今まで前例が無かったので、本当に苦労しました。例えば、まずコンテンツ制作を担当してくださる企業を公募しなければなりません。公募の際には、我々が作成してほしいコンテンツを文章化した仕様書を公開します。そもそも初めての発信アプローチを試みるコンテンツですから、我々が思い描くイメージや伝えたいメッセージを仕様書に表現するため、何度も議論を重ねました。公募に参加する企業の方々が、そのイメージを正しく想起して提案してきてくれるだろうか、ということも心配でした。公募の結果、今回は面白法人カヤックさんにお願いすることになりました。カヤックさんと、コンテンツにメッセージを上手く盛り込むために、一緒にストーリー展開や台詞回しの細かい部分まで突き詰めていったのも、非常に苦労した点でした。

―動画はもちろん、特設サイトもかなりこだわっていますよね。

石井さん:はい。動画を見て終わりでは無く、特設サイトにも来ていただくことで初めて私たちの目的が達成されると思っています。動画ではメッセージを絞り込んでお届けし、特設サイトではもう少し知識を広げてもらうように意識して制作しました。デザインは動画と同じテイストにし、細かく説明するのではなく、読んでいて興味が継続できるようなUIを意識しました。本サイトの中に、商標権の相談窓口もありますので、商標に関してお困りの方は気軽にのぞきに来ていただけると嬉しいです。

※商標拳のホームページの様子(https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei/shohyoken/index.htmlより )

『バトンを繋いでいけるような仕事がしたい。』

―チームの皆さんの中で役割分担のようなものはあるのでしょうか。

佐々木さん:明確な役割分担は無く、それぞれが得意な分野で活動しています。皆、自分が得意だと思うところでは、半歩前に出るという意識を持っています。このチームは、自らデザイン経営プロジェクトに参加したいと挙手したメンバーが多く、それぞれの適性を見てこのチームに振り分けられています。

―挙手制で集まったチームなのですね!皆さんどのような想いで、このプロジェクトに参加されたのでしょうか。

石井さん:特許庁で「デザイン経営プロジェクト」を始めると号令がかかり、「デザイン経営」について調べるうちに興味が湧き、チームに加入しました。以前の仕事は地方勤務で、地方には知財の重要性を知らない方が圧倒的に多いと感じていたのも手を挙げた理由の一つです。

須崎さん:最初は『何か面白いことができそうだな』と思い、手を挙げました。参加してからは、チームで新しいことに挑戦して、結果として良い成果を出すことができました。『特許庁でこんな楽しい仕事ができるんだ』と、後から入ってくる人たちにもバトンを繋いでいけるような仕事をしたいと思っています。

佐々木さん:最初は上司から促されてチームに参加したのですが、活動していくにつれて面白みややりがいを感じて、もうかれこれ1年ほどチームに携わっています。

『先入観を捨て、ユーザーの声を真摯に聞く。』

―今回の『デザイン経営プロジェクト』のように、特許庁は新しい試みを積極的に取り入れているように感じます。

藤村さん:今までユーザーとの距離が遠かったというのは、私たちの反省材料です。これまでも常にユーザーの声を聞いてはいたのですが、それはただユーザーが気付いた課題を聞いて、従来の価値観で対応できるかできないかを判断し、できることだけ対応していたのです。

鹿戸さん:我々の印象ですが、「デザイン思考」の考え方の一つとして、「先入観を捨てて、落としどころを持たずにユーザーの声を真摯に聞くことによって、そのユーザー自身も気づいていない本質的な課題にたどり着くことができる」ということが言えると思います。この活動により、今までなかなか解決できなかった課題に対応できているのであれば、良かったなと思います。

―もうすでに新しい企画は進んでいるのでしょうか。

鹿戸さん:デザイン経営プロジェクトでは、2025年の大阪万博に向けたプロジェクトや中小企業の皆様に対するプロジェクトなどが走っています。また、庁内から新しい課題などを募集する予定です。ユーザーの皆様からも、これをやってほしいというものがあれば、是非ご連絡頂けるとうれしいです。特許庁・デザイン経営プロジェクトチームの扉は、いつでもオープンです。
特許庁に対するユーザーの利便性をどう改善していくかという取り組みは、今後もデザイン経営プロジェクトで取り組んでいくものと考えています。今回の答えの一つが、この動画や特設サイトということであって、今後はそれ以外のものが生まれるのかもしれません。

 ―では、最後に読者へメッセージをお願いいたします。

鹿戸さん:ここにいるメンバー全員の思いを代弁して申し上げます。今日述べたように色々とプロジェクトで検討を重ねてきた成果ではあるのですが、このプロジェクトを見守っていただき、かつ、従来の官公庁の発表するものとは明らかに印象が異なる「商標拳」動画や特設サイトの公表を後押ししてくれた、特許庁幹部の方々には大変感謝しています。もちろん、その他にも、公開にあたっては本当に様々な方にお世話になりました。改めて御礼申し上げます。

≪あとがき≫
カンフーポーズの男性と女性が印象的な動画『商標拳〜ビジネスを守る奥義〜』。
初めてこの動画を目にした時、まさか特許庁が公開したものとは思いもよらず、衝撃を受けました。中小企業やスタートアップにとって、商標をはじめとする知財の知識はビジネスに欠かせません。しかし、いまだ知財の重要性に気づいていない企業も多く、動画のような商標権トラブルも実際に多く発生しています。
この動画に込められた、特許庁のデザイン経営プロジェクトチームからのメッセージが、多くの人の心に届いていることを願います。

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「商標拳」 ~ビジネスを守る奥義~
動画はこちら
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