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知財キャリアの常識をアップデートしろ#1

インタビュー

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専門職人材の流動化が、社会課題の解決を加速する#2

株式会社WILLCOが運営する、法律系専門職の求人サイト『LEGAL JOB BOARD』。

日本中を探しても数少ない知財業界専門のキャリアコンサルタントとして最前線で活躍する三島さんに、知財業界の就業の特徴や、知財の専門性を持つ人材が必要とされている領域、キャリアの広がりについてお聞きしました。人材流動化の波は、知財業界にも訪れているようです。

『人力車の俥夫からキャリアコンサルタントへ』

―三島さんは以前人力車を引かれていたと伺いました。

「はい。人力車は、大学生時代のアルバイトです。震災のボランティア活動をしていたときに人力車の話を聞き、その後、実際に人力車に乗せてもらう機会がありました。値段を聞いたら高いな、と思っていたのですが、実際に乗ってみるとただの移動手段ではなく、その街のことや歴史の話、裏道の情報など、人力車を降りた後にもお客さんが街を楽しめるように考えて話をしてくださいました。ただ高額な乗り物だと思っていた人力車に、それ以上の価値を感じたのです。それで、人力車の仕事を始めました。」

―大学卒業後も人力車のお仕事は続けられたのですか?

「続けたいという思いはありましたが、新卒の時しかできない仕事もあると感じ、別の会社に就職を決めました。『人のために仕事がしたい』という気持ちは、人力車の仕事を通じて強く感じるようになりましたね。」

―ではそこから人材の業界に入られたのですか?

「いいえ。私自身、大学時代から新卒専門の人材紹介を利用して就職活動をしましたので、人材紹介の業界サービスにはもともと興味がありましたが、この業界に入る前は不動産賃貸業の営業をしていました。お客様の要望に合わせて部屋を探す仕事です。経験を積んでいく間に、不動産の業務フローが、人材紹介のフローと似ていると感じたのです。そこで、経験を活かせるだろうと、もともと興味のあった人材業界に飛び込みました。」

―人材会社は数も多いですが、どうしてWILLCOを選ばれたのですか?

「WILLCOが掲げる『すべての働くを幸せに』というビジョンに非常に感銘を受けたことが、入社を決めた一番大きな理由です。そして、実際に面接をしてもらった際に「僕の働きたい人や環境がある」と感じたことも大きいですね。当時、まだすぐの転職は考えておりませんでしたが、自分自身が成長できる環境であると思ったのでWILLCOにジョインしました。
また、人材会社は、基本的にCA(キャリアアドバイザー)とRA(リクルーティングアドバイザー)というように、対求人企業と対求職者の担当が完全に分かれていることが多いです。弊社は両者を一人で担当するため、両方のお話しを聞くことができます。お互いの価値を理解したうえで、マッチングができるという点も、入社を決めた理由のひとつです。」

『目先の数字ではなく、先の幸せを考える』

―キャリアコンサルタントとして心がけていることはありますか。

「私の仕事は営業でもあるので、売上を気にしていかなければいけません。しかし、売上のことだけを考えてしまうと、自分たちの利益のことしか考えられなくなってしまいます。私たちの最終的なゴールは売上ではなく、ビジョンである『すべての働くを幸せに』を念頭に、求職者が転職したあとも幸せに働いていけることです。転職した瞬間だけでなく、その先のことも考えて話すように心がけています。」

―転職後のことも考えると、求職者や採用担当者とお話しする内容も変わってきそうですね。

「そうですね。求職者や採用担当者の方々と接するときに大切にしていることは、なるべく深堀をして話をすることです。求職者には、たくさん質問をして深堀をしていき、本質的な転職理由を聞くようにしています。採用側にも、なぜその人材が欲しいのかなど1つの質問から深堀していくことで、求めている人物像などがより鮮明に見えてきます。また弊社には、求職者の方からの「リアルな現場の声」を聴くことができます。ある一定量の口コミなどを得ることにより、求人先に相対的な評価をした上で求職者の方へ紹介することができ、極力ミスマッチなどを減らすことができます。」

―キャリアコンサルタントになってみて得られた気づきはありますか?

「この仕事をするまで、採用で大切なことは、求職者側は希望の条件が揃っていること、採用側はスキルがあって人柄が良い方であれば、それで良いと思っていました。
でも、すべての条件を満たしていても、入社後に業務の流れについていけなかったり、会社のミッションやビジョンにも共感できなかったりして、結局組織に馴染めず辞めてしまう人がいることに気づいたのです。年齢や技術分野などの条件が揃っていることだけではなく、まずは事務所の所長が考えている想いをエージェントがしっかり理解することが重要なのだと気が付きました。その上で良質なマッチングができていないと、結局就職した後がうまくいかない。そのことを、この仕事をしてから身にしみて感じました。」

『知財業界のイメージががらりと変わった』

―現在は、知財専門のキャリアコンサルタントとして活躍されていますが、知財専門というのは珍しいように感じます。

「私が入社した時期、ちょうど会社として知財業界の転職支援に対して本腰を入れてやっていこうとしているタイミングでした。WILLCOは医療専門の人材紹介もやっているので、どちらか好きな方を選べたのですが、人材業界で知財専門のキャリアコンサルタントというのが少なく、新しいことにチャレンジしたいと思い、自ら申し出ました。」

―昔から知財業界には詳しかったのでしょうか?

「この仕事をするまでは、知財業界のことを全く知りませんでした。それこそ最初は、固そうだなぁと(笑)。皆さん声を発せず、黙々と作業しているイメージでした。でも実際は、和気あいあいと仕事をしている事務所もあって、全然イメージと違いましたね。
また、特許に関して言うと、とりあえず出願しておけば良いものだと思っていたのです。でも実際は、単に出願するだけではなく、守りや攻めといった戦略が必要だということも知りました。さらに言うと、どこの事務所も同じ仕事をしているわけではなく、事務所によってそれぞれ課題が違う。そのことにも大変驚きました。実際に業界のことを知っていくと、知財業界はサービス業に近いと感じます。それぞれの事務所に特徴があり、その違いがとても新鮮なのです。その分、お仕事を紹介するときにも、しっかりそれぞれの事務所の特徴を理解してからご紹介しないといけないなと思っています。」

#2へ続く

知財キャリアの常識をアップデートしろ#2

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