スタートアップに重要なのはパートナー選び#2

インタビュー

ディライテッド株式会社の橋本CEOのインタビュー後編です。

前編では、「受付嬢」から起業したきっかけや知財戦略を始めたときの心境などを語っていただきました。

『「特許」はパワーワード。プラスになることが多いと思った』

ー知財に力を入れたことで、事業にはどんな影響がありましたか?

 「知財に力を入れることの効果は、特に経営層にとって、とても受け入れやすいものです。私たちは新しい市場に取り組んでいるので、先行者利益が今のところ得られていると思います。それをいかに長く続けるか。その環境作りに知財は効果的です。また、特許取得というワードをランディングページや営業資料に入れたことで、サービスの信頼を高めるブランディングにもなりました。投資家からも、特許を取ることで喜んでもらいました。やはり、これから投資検討するという中で、競合サービスがいくつかあるような分野だったときには、特許をしっかりおさえられているのは強みになる。そのためのアクションが取れていると、投資家からの、経営陣に対する信頼に繋がっていくのかなと感じています。」

ー社内への影響はどうですか?

 「実際に特許証を見ると、社内のみんなもとても喜んでくれました。また、採用の場面でも、特許を取得しているほうが目に留まるなどの効果もあると思いますね。それぐらい、「特許」はパワーワードだと思います。知財に詳しくない方たちからも、特許を取れるってすごいと思ってもらえたり、特別だと思ってもらえます。特許を取得しているということは、その分野の中でも優れていることの表れだと思うので、プラスになったことは本当に多いと思いますね。」

『知財に関する相談から、新たなビジネスアイデアが生まれることもある』

ー新しい知財のパートナーと出会たことで、得られたことはありますか

 「知財に関する議論をする中で、新しいビジネスアイデアが生まれるという副次的なメリットがあります。知財に関するディスカッションをするということは、この機能をどういう目的で開発していて、どういう使い方をするのかを、ものすごくかみ砕いて理解してもらうということなんです。その際に、こういう使い方ができるなら、こういうシーンでもビジネスができるのではないかと、いまの知財パートナーの方たちはまっさらな目で聞いてくれるので、新たなビジネス開発の壁打ちができるんです。」

ー知財の話だけでなく、ビジネスの話にもつながっていくのですね

 「そうなんです。逆に、ビジネスと知財を繋げる視点を持っていないと、余計な特許を取ってしまったり、違う方向に行きがちだと思います。自分たちのビジネスをちゃんと理解してくれる人たちに、知財のパートナーになってもらうことがとても重要ですね。」

ーパートナー選びが重要ということですね。しかし、なかなか良いパートナーに巡り合える機会がないスタートアップもいると思います。良いパートナーに出会うためのアドバイスはありますか

 「とにかく露出することだと思います。実際、私たちが今のパートナーと出会ったきっかけは、ピッチ大会なんです。私たちのプレゼンを聞いていた経営者の方から、橋本さんの会社も知財をやっておいたほうがいいよとアドバイスをもらいました。その方は、すでに知財に力を入れて経営をしている方で、そこから今のパートナーを紹介してもらったんです。私たちが気づいていなくても、周りが特許性に気が付いてくれて、良いパートナーを紹介してくれることもあるので、まずはそのサービスを知ってもらうことがすごく大事だと思います。」

ーいま描いている知財戦略はどのようなものですか?

 「今の私たちは、特許は一部だけ取ってもあまり意味がなくて、点を多くとることで面にするのが大切だと認識しています。ビジネスモデル特許は取るのがすごく難しいです。でも、その点をたくさん取っておくと、ポートフォリオになっていくんです。私たちも今まさに、点を多くとることで面にする、を実践しているところですね。」

『時間は後戻りできない。後悔する前にぜひ知財に目を向けて行動してほしい。』

ー最後に、知財戦略に力を入れているスタートアップの起業家として、他のスタートアップにメッセージをお願いします。

 「そうですね、知財って後戻りができません。時間はどうしても遡れないので、もしも自分たちのサービスで特許を取れるチャンスが一ミリでもあるのであれば、絶対に特許を出願したほうが良いと思います。もし、タッチの差でどこかに先に出願されてしまったら、もうその特許は取ることができなくなってしまいます。その時の後悔は本当に大きいと思います。そんなに莫大な費用がかかるわけでもないですし、自分たちの身の丈に合った出し方や取り方ができるのが知財のいいところでもあります。それに、特許取得後に送られてくる特許証って、発明者って書かれるんですよね。なんか発明家になれた気分がして嬉しかったです。普通に生きていたら、特許を取るってそうそうないことなので、発明家にもなれるっていうのも楽しみです。スタートアップでは、ついつい目の前の事業に集中しがちなんですけど、知財には少し時間を割いてでも、信頼できるパートナーとコミュニケーションをしっかり取って進めておくべきことだと思います。」

YES! IP編集チームが感じた、この会社のここが素敵!

『女性CEOならではの優しさに溢れた環境』

 会社に訪問して最初に驚いたのが、小さなお子様たちがオフィス内を元気に駆け回っていることです!気になったので、橋本CEOにお話しを伺ったところ、「性別や出産などを理由に、何かを諦めなければいけない働き方ではなく、本人に続けたいという思いがあるのなら、私はその思いを大事にしたいと思っています。特に会社は、社員それぞれのライフイベントをマイナスにとらえるのではなく、皆が働きやすい環境を用意するということがとても大切だと思うんです。私は、働き方や働く場所にこだわらないということを大事にしています。」と話してくれました。オフィス内にはベビーベッドも設置してありました。仕事中も親御さんはお子様の様子を近くで見ていられたり、会議等で席を離れる際は、周りのスタッフが交代で見ていてくれるそうです。そんなオフィスには、とても暖かい雰囲気が漂っていました。橋本CEOの社員一人ひとりを思いやる心に感動です。ディライテッド株式会社は、女性CEOならではの愛情と優しさが溢れる会社でした。

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