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【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.3 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(2)』

イベント

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Vol.4 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(3)はこちら↓

【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.4 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(3)』

 

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【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.1 開会の挨拶とIPAS2020概要説明』

 

Vol.2 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(1)はこちら↓

【知財イベント】『IPAS2020 Demo Day 成果発表会 レポート〜Vol.2 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(1)』

 

特許関連業務を日常化することができた

株式会社スペースシフト  金本 成生 氏

2009年に設立以来「宇宙×AIで世界をひもとく」をミッションに、衛星から得られる大量のデータをAIで解析し、ユーザーに必要な情報を提供するシステムを開発しています。ちょうど先日、5億円の資金調達を行いました。私どもは衛星データに注力しており、このシステムは船舶検知、高精度農業、建築物単位の変位検知等、小さな動きを検知する必要がある様々なマーケットに展開が可能です。

IPASのプログラムでは、まず初めに自社の技術優位性を洗い出しました。メンターの方にアドバイスをいただきながら、現状開発物の保護、これから開発するものに対する対策、大企業と協業する際の戦略に対する課題をリスト化しました。IPAS採択前は、知財の必要性は感じながらも日々の業務に追われ優先順位が低くなっており、たらればの論議に終始して具体的な作業に着手出来ていませんでした。そこからIPASのメンタリングを経て、日常の開発業務を特許戦略をベースにして俯瞰できるようになり、具体的な出願スケジュールを立てたことで特許関連業務が日常化するといった意識の変化がありました。

IPASでの取り組みの変化として、知財面では自社の特許性の分解や具体的な特許スケジュールを立てることができ、ビジネス面では、シリーズB調達へのアクションと必要なアイテムの整理や営業戦略の見直し、営業資料への具体的なアドバイスをいただくことができました。今後はIPASメンタリングで策定した知財戦略を元に特許出願を進めていき、ビジネス面ではシリーズB調達を目指した知財戦略の活用と、知財をトリガーとした新規顧客獲得を進めてまいります。

 

自分たちのコア・コンピタンスが再定義できた

株式会社コーピー 山元 浩平 氏

「XAIとQAAIでミッションクリティカルAIを実現」をミッションとしている、株式会社コーピーの山元です。私どもはAIの運用と品質管理にフォーカスしたAI開発とソリューション提供を行う会社です。私は創業後2 年間、「AI Dojo」としてビジネスパーソン向けにAIの講義やシステム開発を通して多くの企業と向き合ってきました。そこで、実際に導入されているAIは、リコメンデーションや文字認識などの非ミッションクリティカル領域では、多くの場合PoCより先に進んでいないという課題がありました。AIを本導入するためには、AIの説明可能性や品質検証がボトルネックになります。この課題を解決するために、私たちはAIの運用と品質管理システムの開発に注力しています。

IPAS採択前の私たちの課題は、知財面でいうと技術の知財化ができていない、海外企業と協業をしているが、国際特許の知財戦略が構築できていないなどがありました。また、ビジネス面では技術メンバーの不足や大企業とのアライアンスの組み方、リードの取り方の知見が不足しているという課題がありました。IPASでの取り組みの成果としては、XAI・QAAIにおける知財戦略の構築や競合知財調査、特許出願、商標出願を行いました。ビジネス面では協業調査や知財を活かした大企業との協業と効率的なリード獲得戦略を練ることができました。

参加して良かったことは、自分たちの技術的な強みを再定義し、知財戦略の構築を行うことができたことです。また特許書類の見方が解り、現在は実際に特許出願準備中です。知財の必要性は感じながらも後回しにしてしまいがちでしたが、毎回メンターの方に宿題を出していただくことで着実に知財ケアを進めることができました。ビジネス面では知財戦略の構築や競合分析、壁打ちを元に自分たちのコア・コンピタンスが再定義できました。メンターの方によるのかもしれませんが、当該領域に知見がある利害関係の第三者からの意見は非常に参考になりました。今回の成果をもとに、今後も事業を推進してまいります。

 

自社のコアがわからないところから、知財戦略を構築するまで

株式会社HERBIO 田中 彩諭理 氏

ウェアラブル体温計「Picot」と体調管理ソリューションを提供するHERBIOです。深部体温の連続計測で命が救えるということを皆さんはご存知でしょうか?私たちは気づかないうちに悪化する体調による「手遅れ」を体温計測で無くすことを目指しています。本当に大切な体温「深部体温」はスマートウォッチやサーモでは計測できません。安定した深部体温の計測は口や肛門などの穴で計測する必要があり、私たちは世界初の「おへそ」に装着する深部体温計測デバイスを開発しました。今後は体温ウェアラブルデバイスと連携する体調記録アプリを開発し、医療機器認証後はtoCにも転用していきたいと考えています。私たちはどこにいても安心安全なオンライン診療ができる世界を目指しています。

IPAS参加時点、知財面では自社のコア技術が解らない、オープンクローズの箇所、海外展開を視野に入れた知財戦略ができていないという課題がありました。また事業面では海外展開をどこで実施すればいいか解らない、資金調達がうまくいかないという課題がありました。実際の支援計画に関して、まずは契約書案のレビューとアドバイスをいただき、顧客ニーズの理解やPMFの整理をしました。そこからPMFを基にしたシステム・量産機をイメージし、出願可能な特許項目の洗い出しを行いました。その結果、ハードウェア本体、内部データ処理、コアとなるバイタル収集システム、共同研究先との取り組みにおける知財保護において、必要な知財戦略を構築することができました。

今回のIPASでのメンタリングを通し、ビジネスに関しては熱中症、妊活関係、治験関係といった参入市場の優先順位と注力すべき箇所を選択し、棚卸しして出願すべき内容を整理することができました。2020年にIPASに採択いただいたこともあり、12月には1.2億円の調達を完了し、2022年初旬には薬事認証を予定しています。今後は事業計画とともに知財も拡充していき2023年中旬には、診断支援や疾病予測を例とする診断アルゴリズム搭載の医療機器プログラムを考えています。現在、技術メンバーも募集しています。「生きる」に寄り添うテクノロジーを提供する、HERBIOでした。

 

ニーズ仮説を構築するうえで、ユーザーの声は非常に重要

ライトタッチテクノロジー株式会社  山川 考一 氏

当社は採血のいらない血糖値センサーの事業を展開しています。事業化の背景としては、糖尿病の患者数は年々増え続けており、2045年には世界の成人人口に対する患者の割合は9.9%になると言われています。糖尿病患者の方は1日4~5回、指先に針を刺して痛みに耐えながら血糖値を計測しなければなりません。そのような課題を解決するために、採血不要、廃棄物ゼロ、指先を光にかざすだけで血糖値を約5秒で測定するデバイスを開発しています。将来的には測定により得られる血糖値に関するビッグデータを基に、糖尿病予防のための体調管理アプリサービスへの展開も可能と考えています。

今回のIPASプログラムでの成果は、プロダクトのコンセプト、開発ロードマップに対して優先的に解決すべき事項が整理された点です。プロダクトのコンセプトを考案するうえで、メンターからユーザーインタビューの必要性を助言いただきました。そして実際にプロダクトの強みや顧客ニーズ、使用シーンを理解し、対象患者セグメントを行うため、インタビューを実施しました。その結果、ニーズ仮説を構築するうえで、ユーザーの声は非常に重要なアイテムとなることが解りました。

その他の成果として、PMDA開発前相談の申し込みを完了し、メンターからのアドバイスを基に優先的に対応すべきことをリスト化しました。また市場調査結果やアライアンス先候補のリスト化を行いました。知財面では、社内体制の構築に対して指摘をいただき、顧問弁理士との月次定例ミーティングを設定しました。ビジネスモデル仮説の構築、ビジネスモデル特許に関しては今後の継続課題となり、引き続き取り組んでまいります。

 

Vol.4 支援先スタートアップ15社による成果発表ピッチ(3)はこちら↓

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