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スタートアップのIP経営②スタートアップとIP経営

連載記事

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この連載では、スタートアップに特化した知財支援サービスを提供するOne ip特許業務法人の澤井 周さんに『スタートアップのIP経営』について、毎週お話を伺っていきます。『知財ってよく解らないなあ』という方はもちろん、スタートアップ経営者の方で『IP経営に興味がある』という方へ、この連載が、気づきやヒントになれば幸いです。

澤井さん profile

弁理士・博士(工学)。素材メーカ→博士課程→特許事務所→企業知財を経て、Oneip特許業務法人に参画。ドローンを中心にAI、IoT、IT、リアルテック関連などのクライアントの知財支援、コンサルティング、出願権利化業務を行う。

YES!IPの取材を通して『スタートアップこそ、知財戦略が重要な部分になるケースが多い』と感じることが多くありました。スタートアップと知財の関係は、澤井先生にはどのように見えていますか?

スタートアップのアウトプット全てが知財であると考えています。ここでいう知財は特許や商標だけでなくて、例えばノウハウとか、実際の製品そのものとか、イメージやブランド戦略など、本当に全てです。

スタートアップがどういうプロダクトを作り、どういう課題を解決したいかという事業戦略が初めにあり、それをテクノロジーでどう解決してビジネスモデルを組み立てていくかということを積み上げていく、誤解を恐れずに言えば、その過程で得られるアウトプットが知財になります。スタートアップの事業戦略を考える上で、やっぱり知財って切っても切れない問題だと思っていて。

普通の企業でも同じだと思うのですが、事業戦略との結びつきを考えるとスタートアップのほうが知財との関係が濃い。事業戦略から知財を結びつけて考えてもらうのが理想的だと思っています。知り合いの投資家さんも、スタートアップから良いアイディアを出された時に『もし大手が参入してきたらどうするの?それでも勝ち目はあるの?」と意識して聞くようにしていると言います。他とどこで差別化するかがポイントで、そこが特許や、知財の保護になってくると思っています。

まさしく『IP経営』ですね。そもそも『IP経営』という言葉、色々な意味で捉えられていることが多いのですが、端的に言うとどのような経営のことを言うのでしょうか。

難しいですよね。あくまで私の定義では、色々ある経営資源の中のひとつが知財。事業戦略の中に色々な軸があるとして、知財をどうするかというロードマップをしっかり引いて、それを事業活動に反映していくことが『IP経営』だと思っています。

勘違いしやすいのは、知財を使ってどうするか、というのとは少し違うと思います。あくまでメインにあるのは事業計画で、その中のひとつの柱として知財があるイメージです。極端な話、特許がなくてもIP経営はできると思っています。

特許がなくても?!

例えば、コカコーラのレシピは門外不出なのですよ。都市伝説とも言われていますが、会社の中のニ、三人くらいしか知らなくて。それが会社の強みになっている。特許を出していないけれど『ノウハウ』を自分たちの中でキープしていて、それが差別化の要因になっている。ノウハウを利用するのではなく、ノウハウを隠しておくことで差別化していく、これもひとつのIP経営ですね。

『IP経営』と一言で言っても、様々なやり方があるのですね。

IP経営も企業によってそれぞれで、これが正解だというものはなくて。どこからやればいいのか?という話にもなるんですが、まず初めは自分が新しいサービスを始めた時に、そのサービス名をどうするかもIP経営の重要なところです。他人と同じようなサービス名を使っていないか、サービス名をどう有名にするか、そしてパクられた時はどう対応するかということを考えるのも、IP経営の一つですね。

次回『スタートアップのIP経営③スタートアップの知財支援とは』は、6月30日(火)にアップ予定です!

お楽しみに!

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